ファイルサーバーのクラウド化|メリット・デメリットと失敗しない選び方とは

ファイルサーバーのクラウド化とは、社内に設置していたサーバーの機能をクラウドサービスへ移行することです。
この記事では、クラウド化によって得られるメリットや注意すべきデメリットを解説します。
働き方改革やBCP対策が求められる現代において、自社に合ったサービスを選ぶことは非常に重要です。

おすすめの選定ポイントや具体的な移行手順を理解し、失敗しないクラウド化を進めましょう。

目次

そもそもファイルサーバーのクラウド化とは?

ファイルサーバーのクラウド化とは、これまでオフィス内などに物理的に設置していたファイルサーバーが持つデータ保存や共有といった役割を、インターネット経由で利用できるサービス上に移行することです。
この移行、つまり「化」を進めることで、企業は自社でサーバー機器を保有・管理する必要がなくなり、サービス提供事業者が運用するサーバー機能を利用する形態へと変わります。

従来のオンプレミス型ファイルサーバーとの違いを解説

オンプレミス型とクラウド型の最も大きな違いは、サーバーの設置場所と管理主体です。
オンプレミス型は自社内にサーバーを設置し、自社で運用管理を行いますが、クラウド型はサービス事業者が管理するサーバーを利用します。

この違いから、初期費用、拡張性、アクセスの柔軟性などで比較されます。
また、両者の利点を組み合わせ、機密性の高いデータはオンプレミスに、それ以外はクラウドに置くといったハイブリッド型の構成も選択可能です。

なぜ今、ファイルサーバーのクラウド化が求められているのか

ファイルサーバーのクラウド化が多くの企業で求められている背景には、働き方の多様化が大きく影響しています。
テレワークやサテライトオフィスの普及により、場所を問わずに安全なファイル共有環境が必要となりました。
また、サーバー機器の老朽化に伴うリプレイス費用の削減や、運用管理を行うIT人材の不足を解消する手段としても注目されています。

多くの法人にとって、事業継続性や生産性向上の観点からクラウド化は重要な経営課題となっています。

フリープランならずっと無料

電子帳簿保存法対応の大容量ストレージを業界最安クラスの低価格で

セキュアな国産クラウドストレージ ibisStorage

詳細を見る >

ファイルサーバーをクラウド化する5つのメリット

ファイルサーバーをクラウド化することは、単にデータの保管場所を変えるだけではありません。
コスト削減や業務効率化、セキュリティ強化など、企業経営に多岐にわたるメリットをもたらします。
ファイルサーバをクラウド化することで得られる具体的な利点を5つの側面から解説します。

これらのメリットを理解することで、自社の課題解決にどう繋がるかを具体的にイメージできるはずです。

テレワークや外出先でもファイルにアクセスできる

クラウド化されたファイルサーバーは、インターネット接続があれば時間や場所を問わずにアクセスが可能です。
オフィスに出社しなくても、自宅やカフェ、出張先のホテルからでも業務に必要なファイルを確認・編集できます。
これにより、多様な働き方に対応できるだけでなく、移動時間などを有効活用して業務を進めることが可能になります。
オンプレミスでもVPN機器を使って外部からアクセスすることは出来ますが、ランサムウェア被害の70%はVPN機器のセキュリティパッチの適用漏れが原因となっており、社内で定常的にセキュリティパッチの適用を続けられる会社は多くありません。

個人のPCやスマートフォン、タブレットなど、許可された様々なデバイスから利用できるため、生産性の向上に直結します。

サーバーの運用や管理業務から解放される

オンプレミス環境では必須だったサーバー機器の購入・設定、OSやソフトウェアのアップデート、ハードウェアの障害対応、バックアップといった煩雑な運用管理業務が不要になります。特にサイバー攻撃者はルーターやVPN機器、OSの不具合を見つけて侵入してくるためネットワーク機器やOSのセキュリティパッチを定常的に適用する体制が重要になります。
これらの業務はすべてクラウドサービスの提供事業者が担うため、情報システム部門の担当者は日々のメンテナンス作業から解放されます。

その結果、より戦略的なIT企画や社内サポートといった付加価値の高い業務にリソースを集中させることが可能になります。

データ容量の増減に柔軟に対応できる

事業の拡大やプロジェクトの進行に伴い、必要なデータ容量は変動します。
オンプレミスサーバーの場合、容量が不足するとサーバーの増設や買い替えが必要となり、多大なコストと時間がかかりました。
しかし、クラウドストレージであれば、管理画面から数クリックでプランを変更し、必要な分だけ迅速に容量を増減させることができます。

これにより、ストレージの空き容量を常に気にする必要がなくなり、コストの最適化も図れます。

災害発生時の事業継続(BCP)対策になる

データは、自然災害のリスクが少ない地域に建設された、高度なセキュリティと冗長性を備えたデータセンターで保管されます。

そのため、自社のオフィスが地震や火災、水害などの被害に遭った場合でも、重要な業務データは安全に保護されます。

多くのサービスでは、地理的に離れた複数の拠点で自動的にバックアップを取得しているため、万が一の際にも迅速な事業の復旧が可能となり、有効なBCP対策となります。

初期費用を抑えてシステムを導入できる

オンプレミス型ファイルサーバーを構築する場合、サーバー本体や関連機器、ライセンスなどの購入で多額の初期費用が発生します。
一方、クラウドサービスは月額または年額の利用料金を支払うサブスクリプションモデルが主流です。
これにより、高額な初期投資をすることなく、低コストで迅速に利用を開始できます。

導入に関する費用を平準化できるため、特に予算が限られている中小企業やスタートアップにとって大きなメリットです。

知っておくべきファイルサーバークラウド化のデメリット

ファイルサーバーのクラウド化は多くのメリットをもたらしますが、導入前に理解しておくべきデメリットも存在します。
特に、インターネット回線の速度に性能が依存する点は大きな特徴です。

場合によってはレスポンスが「遅い」と感じる可能性も考慮し、利点だけでなくリスクも把握した上で検討を進めることが、導入後のミスマッチを防ぐために不可欠です。

インターネット環境によって利用が左右される

クラウドサービスは、インターネット経由でデータにアクセスするため、社内や利用場所のネットワーク環境に大きく依存します。
通信速度が遅い環境ではファイルのダウンロードやアップロードに時間がかかり、業務効率が低下する可能性があります。

また、大規模な通信障害が発生した場合には、サービス自体が利用できなくなるリスクもゼロではありません。
安定した業務運用のためには、信頼性の高いインターネット回線の確保が前提となります。

オンプレミスほどの自由なカスタマイズは難しい

クラウドサービスは、ベンダーが提供する標準機能の範囲内で利用することが基本です。
そのため、自社の特定の業務フローに合わせた独自の機能追加や、既存システムとの特殊な連携など、オンプレミスサーバーのようにゼロから自由にシステムを設計・構築することは困難です。

提供されている機能で自社の要件を満たせるか、導入前に十分な確認が必要になります。
カスタマイズの自由度よりも、標準化による運用効率を重視する場合に向いています。

既存のセキュリティポリシーと合わない可能性がある

多くのクラウドサービスは国際的な認証を取得するなど、高いレベルのセキュリティ対策を講じています。
しかし、データの保管場所や国外へのデータ転送の可否、ログの保存期間といった項目が、自社で定めている厳格なセキュリティポリシーの要件と一致しない場合があります。
特に金融機関や医療機関など、業界特有の規制がある場合は注意が必要です。

契約前にサービス内容を詳細に確認し、自社のポリシーとの適合性を評価しなくてはなりません。

ファイルサーバーをクラウド化する2つの主な方法

ファイルサーバーのクラウド化を実現するには、大きく分けて「オンラインストレージ(SaaS型)」を利用する方法と、「クラウドインフラ(IaaS型)」上に自社でファイルサーバーを構築する方法の2種類があります。
手軽さやコストを重視するのか、あるいはカスタカスタマイズ性や自由度を重視するのかによって、どちらのクラウドサーバーを選択すべきかが変わってきます。

手軽に導入できるオンラインストレージ(SaaS型)

SaaS(Software as a Service)型は、サービス提供事業者が運用する完成されたアプリケーションを、契約後すぐに利用できる形態です。
ファイル共有やアクセス権管理など、ファイルサーバーに必要な機能がパッケージ化されており、専門的な知識がなくても導入・運用が容易です。

多くの場合、ユーザー数や容量に応じた月額料金で利用でき、中には無料プランが用意されているサービスもあります。
手軽さとコストを重視する場合に適しています。

自由度高く構築できるクラウドインフラ(IaaS型)

IaaS(Infrastructure as a Service)型は、サーバーやストレージ、ネットワークといったITインフラをクラウド上で利用する形態です。
AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなどが代表的で、仮想サーバー上にWindows ServerなどのOSをインストールし、オンプレミス環境とほぼ同じようにファイルサーバーを構築します。

詳細なアクセス権限設定や既存システムとの連携など、自由度の高いカスタマイズが可能ですが、構築・運用には専門知識が求められます。

【失敗しない】クラウド型ファイルサーバーの選び方5つのポイント

自社に最適なクラウド型ファイルサーバーを選ぶためには、料金や機能だけでなく、セキュリティやサポート体制など多角的な視点からの比較検討が不可欠です。
数多くのサービスの中から、自社の業務要件やセキュリティポリシーに合致し、かつ将来的な拡張性も見据えた選択をすることが、導入の失敗を避けるための鍵となります。
ここでは、選定時に必ず確認すべき5つのポイントを解説します。

Point1. 必要なデータ容量と料金体系を確認する

まず、現在利用しているデータ容量を把握し、今後数年間のデータ増加量も予測した上で、必要なストレージ容量を見積もります。
その上で、各サービスの料金体系を比較検討します。
料金体系には、利用ユーザー数に応じて課金されるプラン、データ容量に応じて課金されるプラン、あるいはその両方を組み合わせたプランなどがあります。

自社の利用規模や使い方に照らし合わせ、最もコスト効率の良いサービスを選ぶことが重要です。

Point2. 求めるセキュリティレベルを満たしているか

企業の重要情報を預ける以上、セキュリティは最も重要な選定基準の一つです。
データの暗号化(通信時・保存時)、IPアドレスによるアクセス制限、二段階認証、詳細なアクセスログの取得といった機能が備わっているかを確認します。

また、サービス提供事業者がISO27001(ISMS)、ISO27017(ISMS-CS)などの第三者認証を取得しているかも、信頼性を客観的に判断する上で重要な指標となります。

Point3. アクセス権限など既存の運用を再現できるか

オンプレミスサーバーで設定していた、部署や役職、個人単位での複雑なアクセス権限設定を、クラウド上でも同様に再現できるかを確認することは非常に重要です。
特に、ActiveDirectoryと連携して既存の権限情報を引き継げる機能があると、移行がスムーズに進みます。

また、日常的な操作性も重要で、多くの従業員が使い慣れたWindowsのエクスプローラーと同様の感覚でファイルを扱えるかどうかも、導入後の定着を左右するポイントです。

Point4. トラブル時に頼れるサポート体制があるか

万が一のシステム障害や、操作方法に関する疑問点が発生した際に、迅速かつ的なサポートを受けられるかは、安定した運用において不可欠です。
サポートの受付時間(平日日中のみか、24時間365日対応か)、対応チャネル(電話、メール、チャットなど)、日本語での対応が可能かといった点を事前に確認します。

特にIT担当者が少ない企業では、手厚いサポート体制が整っているサービスを選ぶと安心です。

Point5. バックアップが取れているか

クラウドサービス側でどのようなバックアップが提供されているかを確認します。
誤ってファイルを削除してしまった場合に備え、過去の特定の時点の状態にデータを復元できる世代管理(スナップショット)機能の有無は重要なポイントです。
バックアップの取得頻度や保存期間、リストア(復元)の手順も確認しておきましょう。
また上書き保存でデータが消えないように世代管理機能もあるか確認しておきましょう。

サービスのバックアップ機能に加えて、自社で別途バックアップを取得する必要があるかも検討すべき項目です。東京と大阪の2拠点でバックアップなど大規模災害対応オプションを提供しているサービスもあります。

フリープランならずっと無料

電子帳簿保存法対応の大容量ストレージを業界最安クラスの低価格で

セキュアな国産クラウドストレージ ibisStorage

詳細を見る >

クラウド移行を成功させるための具体的な進め方

ファイルサーバーのクラウド移行を成功に導くためには、技術的な作業だけでなく、周到な計画と準備が欠かせません。
目的の明確化から始め、段階的に移行を進め、社内へ定着させるまでの一連のプロセスを丁寧に進めることが重要です。
ここでは、移行プロジェクトを円滑に進めるための具体的な4つのステップを解説します。

Step1. 導入目的と移行するデータの範囲を明確にする

まず、「なぜクラウド化するのか」という目的を具体的に定義します。
例えば、「テレワーク環境を整備するため」「サーバー管理の工数を削減するため」「BCP対策を強化するため」など、目的が明確であれば、サービス選定の軸が定まります。

次に、その目的に基づいて移行するデータの範囲を決定します。
全データを一括で移行するのか、使用頻度の高いデータから優先的に移行するのかなど、移行対象を具体的に洗い出します。

Step2. 段階的な移行計画を立ててスモールスタートする

全部門で一斉に移行を開始すると、万が一トラブルが発生した際に影響が大きくなります。
リスクを最小限に抑えるため、まずは特定の部門やプロジェクトチームなど、小規模な範囲で試行的に導入する「スモールスタート」が有効です。

そこで運用上の課題やユーザーからのフィードバックを収集し、本格展開に向けた計画の精度を高めます。
この段階で得た知見を基に、全社展開のスケジュールを策定します。

Step3. 社内ルールを整備し従業員へ周知する

新しい環境での混乱を避けるため、ファイルの命名規則やフォルダの階層構造、アクセス権限の申請フローといった運用ルールを事前に整備し、マニュアル化します。
ルールが決定したら、従業員向けの説明会や研修会を実施し、変更点や新しいツールの使い方を丁寧に周知徹底することが不可欠です。
スムーズな移行には、従業員の理解と協力が欠かせません。

Step4. 移行後の運用状況を定期的に見直す

クラウド移行は、導入が完了すれば終わりではありません。
定期的にデータ容量の使用状況やアクセスログを確認し、無駄なコストが発生していないか、不正なアクセスがないかを監視します。

また、従業員からの意見をヒアリングし、フォルダ構成やアクセス権限が実態に合っているかを見直すなど、継続的な改善を行うことで、クラウド化の効果を最大限に引き出すことができます。

ファイルサーバーのクラウド化に関するよくある質問

ファイルサーバーのクラウド化を検討する過程では、様々な疑問が生じます。
ここでは、特に多く寄せられる質問について、簡潔に回答します。

「クラウド型ファイルサーバー」と「オンラインストレージ」の違いは何ですか?

両者に厳密な定義の違いはありませんが、一般的に少し昔に命名されたサービスでは「クラウド型ファイルサーバー」や「オンラインストレージ」と呼ばれることが多いです。
一方、「クラウドストレージ」は、近代的な命名になっています。

データ移行にはどのくらいの期間がかかりますか?

移行期間はデータ総量、ファイル数、現在の回線速度、選択する移行方法によって大きく変動します。
数TB程度であれば数週間で完了することが多いですが、数十TBを超える大規模なデータ移行では数ヶ月を要する場合もあります。
事前に移行リハーサルを行い、正確な期間を見積もることが重要です。

現在のアクセス権限設定はそのまま引き継げますか?

そのまま引き継げるサービスは少ないかと思われます。設定作業が簡単かどうかを確認しましょう。

エクスプローラーからそのまま操作できますか?

エクスプローラー上にクラウド上のファイルがみえて、そのままファイルを開いたり、編集したり、保存、ファイルのコピー・移動等ができるサービスも多くあります。エクスプローラーでは操作できないけれども、エクスプローラーに似た専用アプリ内で操作するサービスもあります。またWeb画面だけで操作するサービスもあります。操作性や汎用性は圧倒的にエクスプローラーから操作できるものがよいので、エクスプローラー対応をしているか確認しましょう。

まとめ

ファイルサーバーのクラウド化は、テレワークへの対応、運用負荷の軽減、BCP対策の強化といった現代の企業が抱える課題を解決する有効な手段です。
その一方で、インターネット環境への依存やカスタマイズ性の制約といったデメリットも存在します。
導入を成功させるには、自社の導入目的を明確にし、容量やセキュリティ、サポート体制といった観点からサービスを慎重に選定すること、そして計画的かつ段階的に移行を進めることが不可欠です。

クラウドストレージはibisStorage

ibisStorage(アイビスストレージ)は、直感的な操作性と強固なセキュリティを両立させた法人向けクラウドストレージサービスです。
Windowsエクスプローラーで直接ファイルを操作できるため、オンプレミス環境からの移行後も従業員が混乱することなくスムーズに業務を継続できます。

高度な暗号化技術や詳細なアクセス権限設定など、企業が求める安全基準を標準装備している点も大きな特徴です。また、国内企業による開発・運営であるため、日本語による手厚いサポート体制が整っています。
運用の手間を最小限に抑えつつ、テレワーク環境の整備やBCP対策を迅速に進めたい企業にとって、信頼性の高い選択肢となります。

情シス手帳おすすめクラウドストレージ

ibisStorage

電子帳簿保存法に対応したセキュアな国産クラウドストレージ ibisStorage (アイビスストレージ) を30日間無料でお試し下さい。

フリープランならずっと無料今すぐ無料で利用開始する