
「令和元年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」の概要①|内閣府によると、令和元年度時点で大企業の約7割・中堅企業の3割強がBCP(事業継続計画)を策定していると回答しています。BCPとは、自然災害やテロ攻撃など緊急事態が起きても事業を継続するために事前に対策を考えて準備をしておくことです。
緊急時でも「重要業務を停止しない」「損害を最小限に抑える」などが目的であるBCPですが、2011年の東日本大震災後、クラウドでのBCP対策が注目されています。
BCP対策が重要であることは理解していながらも、万が一の事態に備えた対策であるため、ついつい後回しにしてしまいがちです。
しかし、万が一が訪れてしまったときにBCP対策が間に合っていないと、経営が不可能になる事態も絶対にないとは言い切れません。
そこで今回は、「クラウドでのBCP対策」を詳しく解説していきます。メリットだけでなく、デメリットも含めて解説していくので、ぜひ参考にしてください。
クラウドでのBCP対策をしっかり理解して、万が一の事態に備えていきましょう。
目次
BCP対策をクラウドで実施するメリット
2011年の東日本大震災での経験から、クラウドでのBCP対策(中小企業庁)が注目されています。実際、BCP対策を万全にするためには、クラウドの存在は必要不可欠と言えるでしょう。
そこでここでは、BCP対策をクラウドで実施するメリットを解説していきます。
データ消失のリスクが低い
クラウドサービスでBCP対策すると、データ消失のリスクを抑えることができます。
オンプレミスの場合、自社に設置されたサーバーが被害を受けると、データをすべて失う可能性があるというリスクがあります。
一方でクラウドサービスはデータをクラウド上で保存するため、万が一災害が起きて自社が被害を受けたとしても、データへの影響がありません。これは会社には出勤できない状態でもリモートワークで仕事ができる、というメリットにも繋がるでしょう。また、クラウドサービスのサーバーが置かれるデータセンターは非常に強い構造を持つため、データを失うリスクをさらに減少できます。
災害時の復旧が容易に行える
クラウドでデータ管理しておくことで、災害時の復旧が容易になります。
クラウドサービスの最大の特徴として、インターネット環境があればデータにアクセスできるという点があります。これは災害時でも変わらないため、復旧に時間がかかりません。
しかし、オンプレミスはサーバーが被害を受けると、物理的に修理が必要になるため、復旧に時間がかかります。最悪の場合、データを復旧できないといった事態も起こりうるでしょう。
低コストで導入でき運用コストも低い
クラウドサービスは、導入コストや運用コストを抑えた利用が可能です。
オンプレミスでBCP対策する場合、物理的なサーバーの設置や自社での運用による人件費など様々なコストがかかります。しかし、クラウドサービスの場合はデータがクラウド上に保存され、管理もサーバー事業者が行うため、コストを抑えることができます。また、BCP対策において最重要とも言えるバックアップも自動で取れるため手間がかかりません。
このように、BCP対策を低コストで行いたい企業や専門的な知識を持った技術者がいない企業などにも、クラウドサービスはおすすめです。
強固なセキュリティ対策でデータを保護できる
クラウドサービスの利用によって、データを強固なセキュリティ対策で保護することができます。
中には、オンプレミスの方がセキュリティが高いと言う人がいます。しかし実際には、OSやVPNなどのセキュリティパッチの適用不足によるランサムウェア攻撃で情報漏洩が多発しています。社内で万全なセキュリティ対策やデータの徹底的な管理の体制を整えるとすると、大きなコストや手間がかかるでしょう。
クラウドサービスは、高い専門知識を持ったプロの技術者がデータのバックアップや管理を行うため、情報漏洩などのリスクを最低限に抑えることができます。また、導入コストや運用コストの安さを考慮すると、結果的に低コストかつ安全にデータを保護できると言えるでしょう。
ストレージ容量を容易に拡張させられる
クラウドストレージサービスには、ストレージ容量の変更が容易というメリットがあります。オンプレミスの場合、ストレージ容量を増やすとなると、新規で増設しなければなりません。
しかし、クラウドストレージサービスはプランの変更のみですぐにストレージ容量を変更できます。また、容量の増加だけでなく減少にも対応しているため、会社の規模の変化に合わせて無駄なコストを支払うことなくデータを管理できます。
BCP対策をクラウドで実施することのデメリット
これまでに、BCP対策をクラウドで実施するメリットを解説しました。クラウドでのBCP対策には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。
ここでは、BCP対策をクラウドで実施するデメリットを解説していきます。同時にその改善方法についても解説していくので、ぜひ参考にしてください。
カスタマイズ性が低い
クラウドでのBCP対策は、カスタマイズ性が低くなるというデメリットがあります。
オンプレミスの場合、自社の使用用途やセキュリティポリシーに合わせて自由にカスタマイズすることができます。
しかし、クラウドはサービス事業者の機能に限定されてしまうため、オンプレミスほど自由にはカスタマイズできません。そのため、クラウドサービスを導入する前にしっかりセキュリティや機能などを確認しておく必要があります。
無料トライアル期間を設定しているサービスで実際の操作感を試してみるのもおすすめです。
BCP対策をクラウドで実施する際の注意点
BCP対策をクラウドで実施するメリットやデメリットを解説してきました。ここでは、実際にクラウドでBCP対策する際に注意する点について解説していきます。
データ容量に応じてコストもかかる可能性がある
クラウドへのデータ保存容量が大きくなると、コストが高くかかる可能性があります。
クラウドサービスのプラン料金は主に、ストレージ容量やユーザー数に応じて料金が変わります。大規模な企業だとデータ量も多いため、コストが高くなるという仕組みです。
これを聞くと、オンプレミスの方がいいのではないかと思う方がいるかもしれません。しかし、オンプレミスのファイルサーバーのストレージ容量が足りなくなった場合は新たに増設する必要があり、またデータ移行作業、バックアップ作業がかかり、むしろコストがかかる可能性があります。
他にもバックアップ先を用意してリスクを分散させる
クラウドでBCP対策する場合でも、他の場所にバックアップをとっておきましょう。
そもそもクラウドサービスは、何重にも自動バックアップをとるため、データがすべて消失するリスクはほとんどありません。
それでも、万が一のためにクラウド以外にデータを保存しておくことで、さらに効果的なリスク分散ができるでしょう。
BCP対策にマッチしたクラウドサービスを選ぶ方法

BCP対策をクラウドで実施しようと決まったら、次はクラウドサービスを選ぶ工程に移ります。働き方改革やコロナ禍を経て、一気に数が増えたクラウドサービスの中から、どのサービスが自社にとって最適か選ぶのは難しいですよね。
そこでここでは、BCP対策にマッチしたクラウドサービスの失敗しない選び方を解説していきます。
バックアップ取得の仕組みを確認する
BPC対策・データ管理において最も重要ともいえる、バックアップの仕組みは必ず確認しましょう。
クラウドサービスはサービス業者によって、バックアップのとり方が異なります。特に確認しておくべき部分は以下の通りです。
- 自動バックアップ対応か
- 何重のバックアップか
- バックアップのタイミング
- バックアップの種類
バックアップにトラブルが起きてデータが消失する事態を避けるためにも、自社に最適なバックアップを採用しているクラウドサービスを選びましょう。
データセンターの場所を確認する
クラウドのサーバーが置かれているデータセンターの場所もクラウドサービス選びの重要なポイントです。自社のデータがどの地域に保存されているのか把握しておく必要があります。
災害による共倒れを防ぐためにも、自社から離れた場所にデータセンターがあるクラウドサービスを選びましょう。また、複数のデータセンターを持っていると、なお安心です。
料金体系を確認する
サービスによって料金は大きく異なるため、料金体系は慎重に確認しておく必要があります。クラウドサービスの料金プランは主にストレージ容量とユーザー数に応じて変化します。料金が高くなるほど、機能性が充実するサービスもあるでしょう。
また、ユーザーごとの契約かチームごとの契約かによっても料金は大きく異なります。
たとえば、小規模な会社であればユーザーごとに契約できるサービスだと、無駄なコストを支払うことなくクラウドを使用できます。
このように、自社の規模やクラウドの使用用途などに合わせて、最適な料金体系のクラウドサービスを選びましょう。
実際の使用感が想像しにくい場合は、無料トライアル期間があるクラウドサービスを利用して、自社に必要な機能やストレージ容量を確認してみるのもおすすめです。
BCP対策にマッチしたクラウドサービスならibisStorage
この記事では、BCP対策をクラウドで実施するメリットやデメリットを解説してきました。BCP対策は緊急時の事業の損害を最低限に抑えることを目的としたものであるため、ついつい後回しにしたくなる業務ではあるでしょう。
しかし、万が一が起きた時のために、「今」対策しておく必要があります。面倒に感じてしまう方もいるかもしれませんが、クラウドサービスはネット環境さえあればすぐに導入できます。
ibisStorage(アイビスストレージ)はゼロトラストセキュリティを採用するなど、BCP対策にマッチしたクラウドサービスです。リアルタイムで3重のバックアップをとっているため、データ消失のリスクはほぼゼロに等しいと言えるでしょう。
ibisStorageは、30日間の無料トライアル期間もあります。ユーザー数無制限で1TBまで使える「ユーザー数無制限プラン」も対象となりますので、クラウドでのBCP対策を検討している方は試してみるとよいでしょう。