
突然、NASにアクセスできなくなって大切なデータが取り出せない…そんな不安を感じたことはありませんか?NASの故障は予期せぬタイミングで起こり、業務や日常生活に大きな影響を及ぼします。しかし、原因や対処法を知らなければ、適切な対応ができずに困ってしまいますよね。
この記事では、NASが故障する主な原因から具体的な対処法までを詳しく解説します。他の記事ではあまり触れられていないリビルドの失敗やシステム障害についても取り上げ、総合的なトラブルシューティングが可能です。
この記事を読むことで、NASの故障を未然に防ぐ方法や、万が一故障した際の最適な対応策を知ることができます。大切なデータを守り、安心してNASを活用しましょう。
目次
NASが故障する原因
NASが故障する主な原因として、以下のようなものが考えられます。
- NAS本体の部品が故障している
- システム障害が発生している
- 内蔵HDDが破損している
- リビルド(再構築)の失敗
NAS本体の故障
NASの本体が故障する主な原因は、経年劣化や物理的な損傷、過度な温度変化などが挙げられます。内部の電子部品や基板が時間とともに劣化し、正常な動作を妨げることがあります。とくに、電源ユニットの不具合はよく見られる問題で、電源が入らなくなる、突然シャットダウンするといった症状です。
また、外部からの衝撃や振動によって内部部品が損傷するケースもあります。たとえば、NASを設置している場所が振動しやすい環境であったり、移動中に落下させてしまったりした場合などです。さらに、冷却ファンの故障による過熱も本体の故障を引き起こす要因となります。過熱は内部部品の寿命を縮め、最悪の場合、火災の危険性もあります。
本体が故障していると、NAS自体が起動しないため、データにアクセスすることができません。このような場合、自分で分解して修理を試みるのは避けましょう。専門知識と適切な工具が必要であり、誤った操作は状況を悪化させる可能性があります。修復できるケースもありますが、自分では判断せず、必ず専門業者に相談することをおすすめします。
システム障害
NASのシステム障害は、主にウイルス感染やシステムファイルの破損によって引き起こされます。ネットワークに接続されている特性上、外部からのマルウェア攻撃やウイルス感染のリスクが高まるでしょう。これにより、システムファイルが破損し、NASが正常に動作しなくなることがあります。
具体的な症状としては、電源が入っているにもかかわらずネットワーク経由でアクセスできない、管理画面にログインできない、頻繁にエラーメッセージが表示されるなどがあります。また、ファームウェアの更新に失敗した場合や、不適切な設定変更によってもシステム障害が発生することがあるでしょう。
このようなシステム障害は、NAS本体が不調なケースが多く、放置するとデータ損失につながるリスクがあります。再起動や初期化を試みる前に、重要なデータのバックアップを確保しておくことが重要です。
しかし、バックアップが取れない状態での再起動や初期化は、データを完全に失う可能性があるため注意が必要です。専門業者に相談して適切な対処法を確認することをおすすめします。
HDDの不具合
NASに内蔵されているHDD(ハードディスクドライブ)の不具合は、NAS故障の中でもとくに深刻な問題です。HDDは機械的な部品で構成されており、長期間の使用や物理的な衝撃によって劣化・故障が起こりやすい部分です。
具体的な症状としては、HDDから異常な音がする、データの読み書き速度が極端に遅くなる、ファイルが破損してアクセスできないなどがあります。これらの症状が現れた場合、HDD自体が物理的に損傷している可能性が高いです。物理的な損傷や故障は、ソフトウェア的な方法では解決できず、データの復旧が非常に難しくなります。
HDDの不具合によるデータ損失は、復旧難易度が高くなるだけでなく、復旧費用も高額になる傾向があります。そのため、異常を感じたらすぐに使用を中止し、専門のデータ復旧サービスに相談することが重要です。また、定期的なデータバックアップやHDDの健康状態を監視することで、重大な故障を未然に防ぐことが可能です。
リビルドの失敗
リビルド(再構築)の失敗は、RAID構成を採用しているNASでとくに注意が必要な問題です。RAIDは複数のHDDを組み合わせてデータの冗長性を高める技術ですが、HDDの交換や追加時にリビルド作業が必要となります。この作業中に何らかの問題が発生すると、データの整合性が失われ、NAS全体が正常に動作しなくなることがあります。
リビルド中の失敗原因としては、リビルド中に電源が切れる、交換したHDDが初期不良である、他のHDDにも不具合が発生しているなどが挙げられます。とくに、リビルド中はNASに高い負荷がかかるため、他のHDDが故障するリスクも高まります。リビルドの失敗は、データの再構築が完了せずシステムが不安定になるだけでなく、データ損失のリスクを大幅に高めます。
リビルドを行う際は、事前にすべてのデータをバックアップし、安定した電源供給とネットワーク環境を確保することが大切です。また、リビルドの手順を正確に理解し、メーカーの指示に従って作業を進めることが求められます。リビルドの失敗は重大な問題につながるため、不安がある場合は専門業者に依頼することをおすすめします。
NASが故障しているときにみられる症状例

NASが故障している可能性がある症状には、次のようなものがあります。
- ランプが点滅・点灯している
- 異音がする
- エラーメッセージの表示
- ファイルにアクセスできない
1. ランプが点滅・点灯している
NASの状態を示すランプの点滅や点灯パターンは、故障やエラーのサインであることが多いです。通常時と異なる色や点滅速度でランプが光っている場合、NASが何らかの異常を検知している可能性があります。
たとえば、通常は緑色で安定して点灯しているランプが、赤色で高速に点滅している場合、ハードウェアの故障やシステムエラーを示していることがあります。また、特定のランプが消灯している場合も、対応する機能が正常に動作していない可能性があるでしょう。
まずはNASの取扱説明書を参照し、ランプの状態が何を意味しているのか確認しましょう。エラーコードや点滅パターンはメーカーやモデルによって異なるため、マニュアルで詳細を確認することが大切です。マニュアルで解決できない場合は、故障している可能性が高いため、早めに専門業者に相談することをおすすめします。
2. 異音がする
NASから聞き慣れない異音が発生している場合、内部のハードウェアに異常が起きている可能性が高いです。異音は物理的な故障の前兆であり、放置すると深刻なトラブルに発展する恐れがあるでしょう。
具体的な異音の例としては、HDDからのカリカリ音やクリック音、冷却ファンからの異常な風切り音や振動音などがあります。HDDの異音はとくに注意が必要で、ヘッドクラッシュなどの重大な故障が進行している可能性があります。
異音を確認したら、すぐにNASの使用を中断してください。データへのアクセスを続けると、故障が進行しデータ復旧が困難になる場合があります。電源を切った後は、自己判断での分解や修理は避け、専門のデータ復旧業者やメーカーサポートに連絡することが大切です。
3. エラーメッセージの表示
NASや接続しているパソコンの画面にエラーメッセージが表示される場合、システムやハードウェアに問題が発生している可能性があります。これらのメッセージはトラブルの原因を特定する重要な手がかりとなります。
一般的なエラーメッセージとしては、「ディスクが認識されません」「システムエラーが発生しました」「アクセス権限がありません」などがあります。これらのメッセージが表示された場合、まずは取扱説明書やメーカーのサポートサイトを確認し、解決策が提供されていないか調べましょう。
しかし、自己判断でのシステム復旧や自分でリビルドをおこなうことは避けるべきです。誤った操作はデータ損失や故障の悪化を招く可能性があります。とくにリビルド作業は高度な知識と経験が必要なため、専門業者に依頼することをおすすめします。
4. ファイルにアクセスできない
突然ファイルにアクセスできなくなる現象は、NASの故障やネットワークの問題を示しています。まずは基本的な確認として、NASの電源が入っているか、LANケーブルが正しく接続されているかをチェックしましょう。ルーターやスイッチングハブの再起動も試してみてください。
これらの基本的な対処で解決しない場合、NAS自体に問題が発生している可能性が高いです。ファイルシステムの破損やHDDの故障、システム障害などが考えられます。原因がわからない場合は故障している可能性が高いため、無理にアクセスを試みるのは避けましょう。
自己流でのトラブルシューティングは、データをさらに危険にさらす可能性があります。専門のサポート窓口やデータ復旧業者に連絡し、適切なアドバイスや対応を受けることが大切です。
NASの故障は自力で治せる?

NASが故障していても、内部のデータが残っている可能性は高いです。しかし、自力で修理を試みるのはおすすめできません。なぜなら、専門知識がないまま操作すると、データが完全に消失する危険性があるからです。
たとえば、誤った方法でハードディスクを取り出したり、システムを再構築しようとすると、データが上書きされたり、物理的な損傷を与えてしまうことがあります。
そのため、NASが故障した際は、無理に自分で対処せず、専門のデータ復旧業者に相談することが最良の選択と言えます。
NASの故障によって起こる影響とは
NASが故障すると、NAS自体が使えなくなるのはもちろん、修理や交換に多くの時間と費用がかかります。さらに、データが消失する可能性が高く、消えてしまったデータを復旧するには膨大なコストが発生します。
なぜなら、NASには業務や日常生活で必要な重要データが保存されており、それが突然アクセス不能になると、業務に大きな支障をきたすからです。また、データ復旧を専門業者に依頼すると、高額な料金が必要となる場合が多いです。
たとえば、企業で使用しているNASが故障し、取引先の情報やプロジェクトの資料が消えてしまった場合、業務が滞るだけでなく、取引先からの信用を失う恐れもあります。
このように、NASの故障はデータの消失と、それに伴う時間的・経済的な負担を引き起こします。そのため、日頃から適切な対策を講じておくことが大切です。
NASは3年目以降から故障のリスクが増える—その対策とは
NASは導入から3年目以降、故障のリスクが高まります。突然のトラブルに備えるために、以下の対策を検討しましょう。
定期的なリプレイス
NAS機器の定期的なリプレイス(交換)は、故障リスクを低減する効果的な方法です。一般的にNASの寿命は約5年〜10年とされており、使用年数が増えると内部部品の劣化や故障の可能性が高まるでしょう。
とくにHDDは消耗品であり、長時間の稼働によって寿命が縮まります。予防的な交換を行うことで、突然故障するリスクを軽減できます。新しい機器へのリプレイスは初期費用がかかりますが、データ消失や業務停止による損失を考えると、長期的にはコストメリットがあります。
リプレイスを計画的に行うためには、稼働時間や使用状況をモニタリングし、適切なタイミングで交換することが大切です。また、新しいNAS機器を導入する際には、最新の技術やセキュリティ機能を備えたモデルを選ぶことで、さらに安全性を高めることができます。
バックアップ
NASの故障に備える基本的な対策として、定期的なバックアップが欠かせません。バックアップを取っておくことで、万が一NASが故障してもデータを復元することが可能です。
バックアップの方法はさまざまで、外付けハードディスクや別のNAS、クラウドストレージなどを利用することができます。重要なのは、バックアップ先がNASと同じ環境にないことです。同一環境でのバックアップは、災害や停電などで同時に被害を受ける可能性があります。
また、バックアップの頻度やスケジュールを定め、定期的に実行することが大切です。自動バックアップ機能を利用すれば、手間をかけずにデータ保護が可能です。データが消えるのを避けることができるバックアップ体制を整えることで、安心してNASを利用できます。
NASの代替を検討する
NASの代替として、クラウドストレージ(オンラインストレージ)の利用をおすすめします。クラウドストレージなら、インターネット経由でデータを保存・管理できるため、ハードウェアの故障リスクがありません。さらに、自動バックアップ機能も備えているため、データ保護の手間が省けます。
たとえば、クラウドサービスを利用すれば、場所を問わずデータにアクセスでき、突然のトラブルによる業務停止も防げます。クラウドストレージを活用することで、データ消失のリスクを大幅に減らし、安心して業務に専念できるでしょう。
NASの故障を対策するにはクラウドストレージがおすすめ
NASの故障リスクを避けるためには、クラウドストレージ(オンラインストレージ)を利用するのが最適です。なぜなら、クラウドストレージなら物理的な機器が不要で、ハードウェアの故障によるデータ消失の心配がないからです。
たとえば、ibisStorage (アイビスストレージ) を使えば、インターネット環境があればいつでもどこでもデータにアクセスできます。さらに、専門のプロがバックアップやセキュリティ対策を行ってくれるので、自分で複雑な設定をする必要もありません。
このように、クラウドストレージを活用することで、NASの故障を気にせずに大切なデータを安全に保管できます。
NASでは数年ごとの故障に備えた交換、容量不足のときの増設およびデータ移行、故障のときのデータ復旧コスト、故障のときの業務の停止、セキュリティパッチの適用、バックアップなどのさまざまな手間やコストがかかりますが、クラウドストレージは、すべてサービス提供会社におまかせできるので人件費がかからずコストが押さえられます。
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