
ミーティングの議事録は、会議の内容を正確に記録し、関係者間で情報を共有するための重要なドキュメントです。
会社で議事録の作成を任された際、その書き方や作り方に戸惑うこともあるかもしれません。
この記事では、議事録を作成する目的といった基本から、記載すべき構成要素、分かりやすく作成するための具体的なコツまでを解説します。
そのまま使えるテンプレートや例文も紹介するため、実践的なスキルを身につけることが可能です。
目次
なぜミーティングに議事録が必要?作成する3つの目的
議事録は、ミーティングの内容を記録するだけのものではありません。
その主な目的は、決定事項や議論の経緯を正確に関係者へ共有し、認識のズレを防ぎ、次の具体的なアクションへとつなげることにあります。
議事録を作成し、メールなどで共有することで、会議の成果を最大限に高め、プロジェクトを円滑に進行させるための土台となります。
ここでは、議事録が持つ3つの重要な目的について解説します。
決定事項を関係者全員で共有するため
議事録を作成する第一の目的は、会議で決定した事項を関係者全員に正確に共有することです。
会議には、スケジュールの都合で参加できないメンバーや、決定内容を把握しておく必要がある他部署の担当者もいます。
議事録があれば、会議に参加していなくても、議論の結果や決定事項を正確に把握できます。
また、会議のログとして公式な記録を残すことで、後日、決定事項の経緯や背景を確認したい場合にいつでも振り返ることが可能となり、プロジェクトの透明性を高める役割も果たします。
参加者間の認識のズレを防ぐため
同じ会議に参加していても、話を聞く人によって内容の解釈や重要だと感じるポイントが異なる場合があります。
口頭でのやり取りだけでは、後になって「言った」「言わない」といった問題や、個々の理解度の差による認識のズレが生じる可能性があります。
議事録で決定事項や合意内容を文章として明確に残すことで、参加者全員が共通の認識を持つことができます。
これにより、各自の思い込みによる行動のズレや、タスクの対応抜けといったトラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。
次にすべきタスク(ToDo)を明確にするため
会議を単なる話し合いで終わらせず、具体的な行動へとつなげるために議事録は不可欠です。
議事録には、会議で決まった「誰が」「何を」「いつまでに」行うのかという、次にすべきタスク(ToDo)を具体的に記載します。
担当者と期限が明記されることで、各メンバーは自身の役割と責任を明確に認識し、計画的に業務を進めることができます。
多くの議事録フォーマットにはToDoリストの項目が設けられており、タスク管理のツールとしても機能することで、プロジェクトの着実な進行を促します。
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議事録に記載すべき基本の構成要素
分かりやすく、誰が読んでも内容を理解できる議事録を作成するためには、記載すべき基本的な構成要素を押さえておく必要があります。
これらの要素を漏れなく含めることで、議事録は公式な記録としての信頼性を持ち、情報共有ツールとして効果的に機能します。
ここでは、どのような議事録にも共通して求められる、基本の構成要素について一つずつ解説します。
会議の基本情報(会議名・日時・場所・参加者)
議事録の冒頭には、その会議がどのようなものであったかを特定するための基本情報を記載します。
具体的には、「会議名」「開催日時」「開催場所(対面の場合は会議室名、オンラインの場合は使用したツール名など)」「参加者」がこれにあたります。
参加者の欄には、部署名と氏名を記載し、敬称は「様」や「さん」ではなく「敬称略」とするのが一般的です。
また、欠席者がいる場合はその氏名も記載し、誰が議事録を作成したのかを明確にするために「議事録作成者」の氏名も記しておきます。
会議のアジェンダ(議題)
会議で話し合われる議題(アジェンダ)を事前に記載しておくことで、議事録の読み手は会議の全体像を把握しやすくなります。
アジェンダは、その会議で何を目的とし、どのような項目について議論するのかを示す道しるべの役割を果たします。
各議題は、5W1H(Who,What,When,Where,Why,How)や、それにHowmuch(いくら)を加えた5W2Hといった、5Wの要素を意識して設定すると論点が明確になります。
議事録上でも、このアジェンダの項目に沿って議論の内容を整理していくのが基本です。
議題ごとの決定事項
議事録において最も重要な部分が、議題ごとの決定事項です。
各議題についてどのような議論が行われ、最終的に何が結論として決まったのかを簡潔かつ明確に記述します。
決定事項は、他の本文と区別できるよう「【決定事項】」といった見出しをつけたり、太字にしたりするなどの工夫をすると、読み手が一目で内容を把握しやすくなります。
また、なぜその結論に至ったのか、背景となる主要な意見や議論のプロセスも簡潔に書き添えておくと、後から見返した際に、より深い理解を助けます。
懸案事項や持ち帰りとなった内容
会議の中では、その場で結論が出ずに継続して検討が必要となる事項や、特定の担当者が情報を調査して持ち帰ることになった内容が発生することがあります。
これらの懸案事項や持ち帰り事項を議事録に明記しておくことで、議論のやり残しや課題の放置を防ぎます。
具体的に何が未解決で、次回までに誰がどのような準備をする必要があるのかを記載することで、次の会議に向けたアクションが明確になります。
これにより、課題が忘れ去られることなく、継続的に管理される状態を作ります。
次回までのタスクと担当者、期限
会議で決定した事項を具体的な行動に移すため、次回までに実施すべきタスクを一覧でまとめます。
この項目には、「担当者」「具体的な作業内容」「実行期限」の3つの要素を必ず含めるようにします。
誰が、何を、いつまでに行うのかが一目で分かるように整理することで、担当者は自分の役割を再認識し、タスクの実行漏れを防ぎます。
無料の議事録テンプレートや様々なテンプレの例でも、このToDoリストは行動を促す重要な要素として必ず含まれています。

誰でもできる!わかりやすい議事録を作成する8つのコツ
議事録は、会議の内容を記録するだけでなく、読み手にとって分かりやすく、行動につながるものでなくてはなりません。
分かりやすい議事録を作成するためには、会議前の準備から作成・共有に至るまで、いくつかのコツがあります。
ここでは、初めて議事録を作成する人でも実践できる、質の高い議事録を作成するための8つの具体的なコツを、時系列に沿って解説します。
【事前準備】会議の目的とゴールを把握しておく
質の高い議事録を作成するための準備は、会議が始まる前から始まっています。
まず、その会議が「何のために開かれるのか(目的)」と、「何が決まれば成功なのか(ゴール)」を事前に把握しておくことが重要です。
会議の目的とゴールを理解していれば、会議中に交わされる多くの発言の中から、どの情報が重要で、どれを記録すべきかを的確に判断できるようになります。
アジェンダや関連資料に事前に目を通し、不明な点があれば主催者に確認しておくと、当日のメモ取りがスムーズに進みます。
これは英語の会議でも同様です。
【会議中】5W2Hを意識してメモを取る
会議中は、発言を聞き流すのではなく、情報を整理しながらメモを取る姿勢が求められます。
特に重要なのが、5W2H(Who:誰が,What:何を,When:いつ,Where:どこで,Why:なぜ,How:どのように,Howmuch:いくらで)の要素を意識することです。
特に決定事項や発生したタスクに関しては、これらの情報が明確になっているかを確認しながら記録します。
オンラインのWeb会議では、共有ドキュメントツールに参加者全員で書き込みながら進める方法も有効であり、効率的に情報を整理できます。
【会議中】決定事項と個人の意見を区別して記録する
議事録には、会議として正式に決定された「決定事項」と、議論の過程で出された「個人の意見」や「アイデア」の両方を記録します。
しかし、これらが混在していると、何が確定情報なのかが分からなくなってしまいます。
そのため、メモを取る段階からこれらを明確に区別することが重要です。
「【決定】」「【意見】」のように記号や見出しを使って区別しておくと、後で清書する際に整理しやすくなります。
聞きながらの判断が難しい場合は、録音データを後から確認して正確に分類する方法もあります。
【会議中】発言者と発言内容をセットで記載する
議事録では、誰が発言したのかが重要な情報となる場面が多くあります。
特に、タスクの担当者が決まった際や、重要な意思決定に関わる意見が出た際には、発言者と発言内容を必ずセットで記録するようにします。
これにより、決定事項に対する責任の所在が明確になり、後から議論の経緯を振り返る際にも、誰の意見がきっかけになったのかを正確に追跡できます。
メモが追いつかない場合に備え、補助的に録音アプリなどを使用して後から確認できるようにしておくと安心です。
【作成時】要点を絞って簡潔な文章でまとめる
議事録は、会議の発言をすべて文字に起こす逐語録ではありません。
会議のメモをもとに清書する際は、議論の要点を的確に捉え、簡潔な文章でまとめる作業が不可欠です。
冗長な言い回しや本筋から外れた雑談などは削ぎ落とし、決定事項や重要な意見、ToDoといった核心情報に絞って記載します。
各議題の最後には、結論を「まとめ」として記述すると、読み手は短時間で概要を把握できます。
箇条書きを効果的に使い、視覚的にも分かりやすく整理します。
【作成時】会議の流れに沿って時系列で整理する
議事録を清書する際は、基本的に会議が進行した順序、つまり時系列に沿って内容を整理します。
通常は、事前に配布されたアジェンダの順番通りに、各議題の議論内容と決定事項を記載していきます。
この構成にすることで、読み手は会議の議論がどのように展開し、結論に至ったのかという流れを自然に理解できます。
もし会議中に議論の順番が前後した場合は、アジェンダの項目ごとに情報を分類し直し、論理的な流れになるように再構成すると、より分かりやすい構成になります。
【共有時】完成後はできるだけ早く関係者に共有する
作成した議事録は、情報の鮮度が落ちないうちに共有することが重要です。
会議終了後、記憶が新しいうちに作成を完了させ、できる限り早く関係者に共有します。
理想は会議当日中、遅くとも翌営業日の午前中までには共有するのが望ましいです。
迅速に共有することで、参加者は内容をすぐに確認でき、万が一認識のズレがあった場合でも早期に修正できます。
また、決定したタスクについても、担当者が速やかに着手できるため、業務の停滞を防ぐことにもつながります。
【修正時】内容に誤りがあれば速やかに訂正版を送付する
議事録を共有した後、参加者から内容の事実誤認や解釈の違いといった点について、修正依頼のフィードバックが来ることがあります。
その際は、指摘された内容を真摯に受け止め、事実関係を確認した上で速やかに議事録を修正します。
修正した箇所が分かるように明記した上で、「改訂版」や「修正版」として関係者全員に再共有します。
正確な記録を残すことは議事録の重要な役割の一つであり、誤りを訂正し、常に最新で正確な状態を保つことが求められます。
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【コピペOK】そのまま使える議事録のテンプレートと例文
議事録を初めて作成する場合、どのようなフォーマットで、どんな内容を書けばよいのか迷うかもしれません。
ここでは、コピー&ペーストしてすぐに使える、汎用的な議事録のテンプレートと、具体的な社内会議を想定した例文を紹介します。
これらのテンプレートと例文を参考にすることで、議事録の全体像と具体的な書き方をイメージでき、効率的に作成作業を進めることが可能になります。
シンプルな議事録テンプレート
会議名:
日時:202X年XX月XX日(X)XX:XX~XX:XX
場所:
参加者:○○、△△、□□(敬称略)
議事録作成者:
1.議題
(1)(議題1)
(2)(議題2)
2.決定事項
・(決定事項1)
・(決定事項2)
3.議論内容
(1)(議題1)について
・(議論の要点)
(2)(議題2)について
・(議論の要点)
4.懸案事項・持ち帰り事項
・(懸案事項1)
5.次回までのタスク(ToDo)
|No.|タスク内容|担当者|期限|
|:—-|:———–|:——-|:——-|
|1||||
|2||||
6.次回会議予定
・日時:
・議題:
7.備考
・(補足事項など)
社内定例会議の議事録例文
会議名:第5回新商品A開発プロジェクト定例会議
日時:202X年10月1日(水)10:00~11:00
場所:第3会議室
参加者:鈴木一郎、佐藤花子、高橋健太
議事録作成者:高橋健太
1.議題
(1)前回議事録の確認とToDoの進捗確認
(2)画面デザイン案のレビュー
(3)今後のスケジュールについて
2.決定事項
・画面デザインはB案をベースに、一部修正を加えて最終化する。
・プロトタイプの完成目標を10月31日とする。
3.議論内容
(1)ToDoの進捗確認
・No.1「競合調査レポート作成」(佐藤):完了。
・No.2「要件定義書ドラフト作成」(高橋):完了。
(2)画面デザイン案のレビュー
・A案、B案について議論。操作の分かりやすさからB案を支持する意見が多数。
・B案のボタン配置について、鈴木より視認性向上のための修正提案があり、採用。
4.次回までのタスク(ToDo)
No.1:画面デザインB案の修正、担当者:佐藤、期限:10/8
No.2:プロトタイプ制作の開始、担当者:高橋、期限:10/9
5.次回会議予定
日時:202X年10月15日(水)10:00~
議題:プロトタイプの進捗確認

やってはいけない!評価が下がる議事録のNG例
分かりにくい議事録や目的を果たせない議事録は、作成しても評価されず、かえって業務の混乱を招く原因にもなりかねません。
特に初心者が陥りがちな失敗例を知っておくことで、そのような事態を避けることができます。
ここでは、評価を下げてしまう議事録の典型的なNG例を3つ取り上げ、なぜそれが問題なのか、どのように改善すべきかを解説します。
発言をすべて書き起こしただけの日記になっている
会議中の発言を時系列に沿ってすべて書き起こしただけの議事録は、情報量が過多になりがちです。
読み手は、長文の中から重要な決定事項や必要な情報を探し出すのに手間がかかり、会議の要点を素早く把握することができません。
議事録の目的は、議論の要約と決定事項の共有です。
そのため、発言内容をそのまま記録するのではなく、「何が議論され」「何が決まったのか」という要点を抽出し、整理して記載する必要があります。
重要な情報が埋もれてしまわないよう、情報を取捨選択する意識が求められます。
結論や次のアクションが書かれていない
議論の過程が詳細に記載されていても、結論がどうなったのかや次に何をすべきかが明確に書かれていない議事録は、その価値が半減してしまいます。
議事録は、会議の成果を具体的な行動につなげるための重要なツールです。
各議題に対する結論と、それに基づいて発生したタスク(ToDo)が誰の担当で、いつまでに行うのかが明記されていなければ、会議がただの意見交換で終わってしまいます。
読み手が最も知りたい情報である結論と次のアクションは、必ず明確に記載します。
専門用語や略語が多くて読み手に不親切
議事録は、会議の参加者だけでなく、他部署の社員や後からプロジェクトに参加したメンバーなど、様々な背景を持つ人が読む可能性があります。
そのため、特定の部署やチーム内でしか通用しない専門用語や社内略語を多用すると、読み手が内容を正しく理解できず、情報共有の役割を果たせません。
やむを得ず専門用語を使用する場合には、初出の箇所で括弧書きで簡単な説明を加えたり、正式名称を併記したりするなどの配慮が必要です。
誰が読んでも理解できる、平易で分かりやすい言葉遣いを心がけます。
議事録作成を効率化するおすすめの方法
議事録の作成は、会議の内容を正確に記録し、分かりやすくまとめる必要があるため、時間と手間がかかる作業です。
しかし、便利なツールやサービスを活用することで、この作業負担を大幅に軽減し、より効率的に質の高い議事録を作成することが可能になります。
ここでは、議事録作成の効率化に役立つおすすめの方法を2つ紹介します。
ICレコーダーや録音アプリで会話を記録する
会議中の議論に集中しながら、同時に詳細なメモを取るのは困難な作業です。
重要な発言の聞き漏らしや、内容の誤解を防ぐために、ICレコーダーやスマートフォンの録音アプリで会議の音声を記録しておく方法は非常に有効です。
録音データがあれば、会議後、議事録を作成する際にいつでも正確な発言内容を聞き返して確認できます。
特に、数値や固有名詞、議論の微妙なニュアンスなどを正確に記述したい場合に役立ちます。
ただし、会議を録音する際は、事前に参加者全員の許可を得るのがマナーです。
AI搭載の文字起こしツールを活用する
録音した音声データを聞きながら手作業で文字に起こす作業は、非常に時間がかかります。
この課題を解決するのが、AIを搭載した自動文字起こしツールです。
これらのツールは、音声ファイルをアップロードするだけで、AIが自動でテキストデータに変換してくれます。
録音したあとツールにアップロードが手間で続かないということもありますので、最近はWebサービスのAI議事録サービスが増えてきています。この場合は、会議の開始時に録音ボタンを押すだけでリアルタイムに文字起こしされ、録音停止すると議事録作成も自動で行われ非常に負担がすくなくなっています。
話者ごとに発言を分離する機能を持つツールもあり、誰が何を話したのかを判別する手間も省けます。
AI議事録サービスで生成された議事録を元に、要点の整理や清書を行うだけで議事録が完成するため、作成時間を劇的に短縮し、業務の生産性を高めることができます。
まとめ
ミーティングの議事録は、会議での決定事項を正確に共有し、関係者間の認識を統一させ、次の具体的な行動を促すための重要な役割を担います。
質の高い議事録を作成するには、会議の基本情報や議題ごとの決定事項、ToDoリストといった基本構成を押さえることが不可欠です。
また、会議の目的を事前に把握し、要点を絞って簡潔にまとめるなどのコツを実践することで、誰が読んでも分かりやすい文書になります。
テンプレートや効率化ツールも活用しながら、業務を円滑に進めるための議事録作成に取り組みます。
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