請求書をペーパーレス化するメリット・デメリットについて解説

近年、請求書をはじめとした紙のペーパーレス化が推奨されています。特に請求書は、さまざまな法律の制定によって、多くの企業が請求書管理システムを導入してペーパーレス化を進めています。

しかし、「請求書のペーパーレス化の方法がわからない」「請求書のペーパーレス化のメリットを知りたい」といった方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、請求書のペーパーレス化について、メリットやデメリットを交えて詳しく解説します。デメリットに対する解決策も解説するので、ぜひ参考にしてください。

請求書のペーパーレス化とは

請求書のペーパーレス化とは、請求書の発行から保存・管理を電子化することをいいます。そもそもペーパーレスとは、これまで紙で扱ってきた文書や資料を電子化する取り組みです。

ペーパーレス化することで、紙の使用にかかるコストの削減や業務の効率化を図っています。紙の主な原料となる森林の破壊によって生じる地球温暖化の深刻化や、DXの推進の流れの中で、ペーパーレス化する企業が増えています。

請求書のペーパーレス化が推奨されている背景

請求書のペーパーレス化が推奨される背景には、以下のような法律の制定があります。

  • e-文書法
  • 電子帳簿保存法
  • インボイス制度

e-文書法電子帳簿保存法の制定によって、保管が義務付けられた文書や、請求書を含む国税関係帳簿書類の電子データ保存が可能となっています。さらに、制定後の改正によって電子データ保存の要件が緩和されました。

2023年10月から開始されたインボイス制度では、適格請求書発行事業者は適格請求書の発行・保存が義務化されました。適格請求書は従来の請求書よりも記載事項が増えたため、管理や作成には手間がかかります。

こういったことから、企業の負担をなくし業務効率を上げることを目的として、請求書のペーパーレス化が推奨されています。

請求書をペーパーレス化するメリット

前述した通り、請求書のペーパーレス化はさまざまな法律に対応して業務効率を向上させることを目的として推奨されています。推奨される背景を理解したことで、請求書をペーパーレス化しようと考え始めた方もいるのではないでしょうか。ここでは、請求書をペーパーレス化するメリットについて解説します。

  1. 書類を保管する場所が不要
  2. 業務が効率化される
  3. 請求書のコストを削減できる
  4. 紛失を避けることができる
  5. タイムラグのない取引が実現できる
  6. テレワークに対応できる

1. 書類を保管する場所が不要

請求書をペーパーレス化することで、紙の請求書を保管する場所が不要になります。取引が増加するにつれ、請求書の数も増加します。紙で請求書を保管している場合、膨大な数の書類の保管場所を確保しなければなりません。

しかし、ペーパーレスであれば、請求書は全てオンライン上で保管できるため、物理的な保管場所を確保する必要がなくなります。これにより、保管場所を確保するためのコストの削減や、書類を管理する手間や負担の軽減にもつながります。

2. 業務が効率化される

請求書のペーパーレス化は、業務の効率化につながります。企業間で紙の請求書を取引する場合、「印刷」「宛名書き」「封入」「郵送」といった手間がかかります。また書類に不備があると、修正によってさらに時間がかかるでしょう。

しかし、ペーパーレスの場合、全ての手順がオンラインで完結可能です。これは取引の多い企業にとって、大きなメリットとなります。また、検索性向上のメリットも大きく、数年前に発行した見積書を元に請求書作成を行う場合に紙の場合は、探すことに時間がかかってしまいます。

請求書管理システムを導入することで、請求書の発行や受取・管理を全て自動化できます。人間が手作業で行うよりもミスが少なく、効率良く請求書を管理できるため、請求書の管理に困っている企業の方はぜひ検討してみてください。

今すぐ手軽に始めるなら請求書をPDF保存してメールで取引先に送る等でも「印刷」「宛名書き」「封入」「郵送」の手間が減るのでかなり改善になります。発行した請求書の控えは電子帳簿保存法対応のクラウドストレージに保存します。

3. 請求書のコストを削減できる

請求書のペーパーレス化によって、紙の請求書により発生していた以下のようなコストを削減できます。

  • コピー用紙代
  • インク代
  • コピー機購入代
  • 郵送料金
  • コピー用紙、インク、切手の購入処理、経理処理の人件費

特に取引の多い企業にとって、請求書発行にかかるコストは小さいものではありません。そのため、オンライン管理となるペーパーレス化は、大きなコスト削減につながります。

また、請求書を紙で保管する場合のファイルや、物理的な保管場所の確保にかかるコストも不要になります。

4. 紛失を避けることができる

請求書のペーパーレス化によって、紛失のリスクを下げることができます。紙の請求書の場合、確認や郵送などのワークフローの中で、紛失する可能性がゼロとは言い切れません。請求書の量が多い場合、紛失自体に気付くことが遅れ、最悪情報が流出するなんてことも。

しかし、ペーパーレスであれば請求書はオンライン上で保管されるため、紛失のリスクがほとんどありません。また、リスクに備えて、パスワード設定やアクセスログ管理などのセキュリティ対策も可能です。

ペーパーレスであっても紛失や流出のリスクがゼロというわけではありません。しかし、紙の請求書の管理にかかる、保管場所のカギの管理や入出記録の手間やコストを削減することができます。

5. タイムラグのない取引が実現できる

請求書のペーパーレス化によって、取引のタイムラグをなくすことができます。紙の請求書で他の企業と取引する場合、「印刷」「宛名書き」「封入」「郵送」などの手間がかかります。書類に不備があると修正によってさらに時間がかかるなど、非常に非効率です。

そこでペーパーレス化することで、請求書の作成・発行・確認・修正が全てオンライン上で完結できるようになります。急な変更が生じた場合でも、タイムラグを発生させずに対応できます。

また、請求書がペーパーレスであれば、紙での取引が現実的ではない海外企業との取引でも安心です。今後、海外展開を目指している企業の方は、特に請求書のペーパーレス化を検討してみましょう。

6. テレワークに対応できる

請求書のペーパーレス化によって、テレワークにも対応可能です。テレワークは2020年の新型コロナウイルスの影響で急速に拡大した働き方ですが、令和5年版 情報通信白書|テレワーク・オンライン会議によると、2022年時点でも半数以上の企業が導入しています。

請求書がペーパーレス化されていることで、発行や確認・修正がオンライン上で完結できるため、確認のためにわざわざ出社する必要がありません。これにより、近年の働き方改革やフリーランスの増加にも対応しやすくなります。

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請求書をペーパーレス化するデメリット

前の項で解説した通り、ペーパーレス化は、オンライン上で請求書の管理を完結できるという大きなメリットがあります。次に、請求書をペーパーレス化するデメリットを2つ解説します。デメリットに対する解決策についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

  1. 導入や運用コストが発生する
  2. 慣れるまでに時間がかかる

1. 導入や運用コストが発生する

請求書管理システムの導入には、初期費用や月額費用などのコストが発生します。そのため、システム導入の際には運用にかかるコストを具体的に算出して、検討する必要があります。

まずは手軽に始めるならExcel等で作った請求書をPDF保存して、メールで取引先に送るところから始めるのもよいでしょう。

紙の請求書の管理コストと比較すると、ペーパーレス化した方が全体的にかかるコストは削減できるケースが多くなっています。また、紙の管理にかかる手間を考慮しても、ペーパーレス化するメリットは大きいでしょう。

2. 慣れるまでに時間がかかる

請求書のペーパーレス化のデメリットの1つが、慣れるまでに時間がかかるという点です。特にパソコンが苦手で、従来の紙の請求書しか扱ったことがないという方は、ペーパーレス化するためのシステムに慣れず、一時的に作業効率が低下する可能性があります。

そのため、不安がある場合は徐々に紙からペーパーレスに移行していくことで、作業効率を落とさずに請求書管理システムの導入が可能となるでしょう。また、取引先によっては紙の請求書の発行を要求されるケースがあるため、紙とペーパーレスどちらにも対応できる環境を整えておくと安心です。

外注先であれば断れることも少ないでしょうから外注先から電子ファイルの請求書にしてもよいか確認をしていくとよいでしょう。新型コロナウイルス以降、電子化は急速に進んできていますので、メール送信で済む場合は多くなってきています。

請求書をペーパーレス化する方法

前述した通り請求書のペーパーレス化には、オンライン上での管理によるメリットだけでなく、運用コストがかかるというデメリットがあります。

しかし、トータルコストは紙での請求書の方がかかるケースが多いことから、ペーパーレス化を検討し始めた方もいるでしょう。ここでは、実際に請求書をペーパーレス化する2種類の方法を紹介します。

  1. スキャナ保存による電子化
  2. 電子データで受領

1. スキャナ保存による電子化

請求書をペーパーレス化する方法の1つに、スキャナ保存による電子化があります。スキャナ保存とは、紙で受領した請求書をスマホやスキャナで読み取ってペーパーレス化する方法です。スキャナ保存するためには、以下のような法律で定められた要件を満たす必要があります。

  1. 入力期間の制限
  2. 一定の解像度による読み取り
  3. カラー画像による読み取り
  4. タイムスタンプの付与
  5. バージョン管理
  6. 帳簿との相互関連性の確保
  7. 見読可能装置等の備付け
  8. 速やかに出力すること
  9. システム概要書等の備付け
  10. 検索機能の確保

参照:はじめませんか、書類のスキャナ保存

上記の要件を見てわかるように、スキャナ保存は自社で行うにはハードルが高いペーパーレス化の方法です。紙の請求書を扱う取引先が多い場合は、スキャナ保存に対応したクラウドストレージサービスの導入などを検討しましょう。

電子帳簿保存法対応クラウドストレージであれば上記要件はスムーズに満たせるようになっています。

紙で受領した請求書もスマホで撮って電子帳簿保存法対応のクラウドストレージへ保存すれば、紙は破棄しても大丈夫ですし、検索や社内共有等で業務効率があがります。

2. 電子データで受領

電子データで受領した請求書をそのまま保管することでも、請求書をペーパーレス化できます。電子データでの受領であっても、スキャナ保存同様、法律で定められた以下のような要件を満たす必要があります。

  1. タイムスタンプが付された後の授受
  2. 授受後遅滞なくタイムスタンプを付す
  3. データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用
  4. 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け

参照:Ⅱ 適用要件【基本的事項】

電子データでの受領は、スキャナ保存と比較すると要件のハードルは低くなります。こちらも電子帳簿保存法対応クラウドストレージサービスであればスムーズに要件を満たすことができます。

電子ファイルで請求書が届いたら電子帳簿保存法対応クラウドストレージに保存するというところから始めるとよいです。

慣れてきたら発行する請求書もPDF保存して取引先にメールで送るという形から始めるとよいでしょう。

そのため、ペーパーレス化する際は電子帳簿保存法対応クラウドストレージを導入し、電子ファイルの請求書受領から始めて、電子ファイルの請求書発行、最後にスキャナ保存と進めるのがよいでしょう。

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請求書をペーパーレス化するためのポイント

前の項で紹介した通り、請求書をペーパーレス化する方法には、「スキャナ保存」と「電子データでの受領」の2種類があります。方法を知ったことでペーパーレス化が具体的にイメージできるようになったのではないでしょうか。次に、請求書をペーパーレス化する際のポイントを3つ解説します。

  1. 目的は明確にする
  2. 社内体制は構築させる
  3. 取引先に伝える

1. 目的は明確にする

請求書をペーパーレス化する際には、ペーパーレスの目的を明確にしましょう。目的によって、最適なペーパーレス化の方法は異なります。また、ペーパーレス化するために電子帳簿保存法対応クラウドストレージを導入する場合、目的が明確でないと最適なサービスの導入につながりません。

サービスごとに異なる機能の中から、自社に最適なものを選ぶためにも、「コスト削減」「業務効率化」など、ペーパーレス化の目的を明確にしましょう。

2. 社内体制は構築させる

社内体制を構築することで、効率的にペーパーレス化に移行できます。ペーパーレスによって、これまでの請求書の管理方法と手順が変わることもあるでしょう。そういった場合に備えて、あらかじめマニュアルやルールを整備しておくことで、ペーパーレス開始時の業務効率の低下を抑えることができます。

3. 取引先に伝える

請求書をペーパーレス化する際には、あらかじめ取引先にその旨を伝えておく必要があります。自社が発行する請求書をペーパーレス化する場合、一言連絡をいれておきましょう。

ペーパーレス化によって紙での発行にかかっていた手間やコストが削減できるため、両者にメリットがあります。

請求書のペーパーレス化ならibisStorage

この記事では、請求書のペーパーレス化について詳しく解説しました。請求書のペーパーレス化は、オンライン上での管理・検索が可能となるなど大きなメリットがあります。

ペーパーレス化するための請求書管理システムは運用コストがかかりますが、紙の請求書の管理にかかる手間やコストと比較すると、コストパフォーマンスは高いといえます。

しかし、請求書のペーパーレス化を自社で行うのは、要件の複雑さなどからハードルが高いことも事実です。そこでおすすめするのが、ペーパーレス化するための請求書保存システムの導入です。

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