サイバーセキュリティ対策とは?チェックリストを解説

サイバーセキュリティの対策は、サイバー攻撃の増加とともに重要性を増してきています。企業防衛としてだけではなく、社会的責務としてもセキュリティを高めなければなりません。

本記事では、サイバーセキュリティ対策のポイントを解説しています。また、NISCによって公表されているチェックリストも紹介しているため、セキュリティ対策に不安を感じている方は参考にしてみてください。

サイバーセキュリティとは

サイバーセキュリティとは、コンピュータシステムやネットワーク、データを悪意のある攻撃から保護するための包括的な取り組みを指します。技術的な対策だけでなく、人、プロセス、技術を組み合わせた総合的なアプローチが必要です。

サイバーセキュリティはファイアウォールや暗号化、アンチウイルスソフトウェアなどの技術的対策を基盤としながら、アクセス制御、認証システム、定期的なセキュリティ監査を実施します。また、インシデント対応計画の策定や、バックアップシステムの整備も重要な要素です。

また、コンプライアンスへの対応も重要で、業界標準や法規制に準拠しなければなりません。新たな脅威が次々と出現する中、セキュリティ対策は常に進化し続ける必要があり、定期的な見直しと更新が不可欠です。

サイバーセキュリティ対策が必要な理由

サイバーセキュリティ対策が必要な理由は、単なる企業防衛だけでなく、顧客や取引先の個人情報、機密情報を守る社会的責務があるためです。適切な対策を怠ると、情報漏洩による信用失墜や損害賠償、さらにはランサムウェアによるシステム停止で業務が完全に麻痺する可能性もあります。

企業の存続自体を脅かすリスクとなり、経済活動全体に影響を及ぼす重大な問題となりかねません。

サイバー攻撃が増加している

サイバー攻撃は近年急速に増加しており、総務省の調査によると、2021年に観測されたサイバー攻撃関連通信数は、2018年と比較して2.4倍に増加したことが明らかになっています。

具体的に見ると、各IPアドレスに対して平均18秒に1回の割合でサイバー攻撃関連の通信が行われている計算となり、攻撃の頻度が著しく高まっていることを示すデータです。

特に注目すべき点として、攻撃の傾向が変化してきており、従来主流だったWindowsシステムを標的とした通信の割合が減少する一方で、さまざまなネットワークサービスで使用される多様なポートへの通信が増加しています。

攻撃者が、特定のOSだけでなく、クラウドサービスやIoTデバイス、業務用アプリケーションなど、より幅広い対象を狙うようになっていることを示しています

出典:総務省/令和4年情報通信に関する現状報告の概要

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サイバーセキュリティの種類

サイバーセキュリティの種類として、次の内容を解説します。

  • エンドポイントセキュリティ
  • ネットワークセキュリティ
  • アプリケーションセキュリティ
  • クラウドセキュリティ

それぞれの特徴をみていきましょう。

エンドポイントセキュリティ

エンドポイントセキュリティとは、ネットワークに接続されている末端の機器とそこで扱われる情報を保護するためのセキュリティ対策です。これらのエンドポイントには、パソコンやスマートフォン、タブレット、IoTデバイスなどが含まれます。

近年、リモートワークの普及により、従業員が自宅や外出先でノートPCやタブレットを使用して業務を行う機会が増えてきました。従来のオフィス内に限定されていたエンドポイント環境が地理的に分散し、保護すべき範囲が大きく拡大しています。

特に、USBメモリなどを介したインターネットを経由しないマルウェア感染に対しては、ゲートウェイセキュリティでは対処できません。このような脅威に対応するためには、各エンドポイントでの直接的な防御が必要です。 

ネットワークセキュリティ

ネットワークセキュリティとは、不正アクセスやコンピュータウイルスなどの脅威からネットワークシステムを保護するための総合的な対策を指します。

特に近年、クラウドサービスの普及により、企業のデータやシステムがインターネットを介して利用されることが一般的となりました。そのため、ネットワークセキュリティの重要性はより一層高まっています。

攻撃者は企業のネットワーク通信を監視・傍受し、機密情報や個人情報に対してさまざまな手法を用いて攻撃を仕掛けてくるでしょう。ネットワークセキュリティが適切に実施されていない場合、情報漏洩やシステムダウンなどの深刻なインシデントが発生する可能性があります。

攻撃による被害は、直接的な経済的損失だけでなく、企業の信頼性や評判を大きく損なう結果となりかねません。

アプリケーションセキュリティ

アプリケーションセキュリティとは、サイバー犯罪者による不正アクセスやサイバー攻撃からアプリケーションを保護するためのセキュリティ対策です。

サイバー攻撃の多くはアプリケーションのプログラムに存在する脆弱性を標的としています。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング、認証バイパスなど、プログラムの欠陥を悪用した攻撃手法が数多く存在するため注意しなければなりません。

また、分散型サービス妨害攻撃により、アプリケーションのサービスを停止させられる危険性も深刻な脅威の1つです。大量のトラフィックを一斉に送信することで、サーバーに過負荷をかけ、正常なユーザーがサービスを利用できなくなる事態を引き起こす可能性があります。

クラウドセキュリティ

クラウドセキュリティとは、クラウドサービスの利用に伴うセキュリティリスクから、データやシステムを保護するための対策を指す用語です。近年、企業はコスト削減や業務効率化を目的としてクラウドサービスを積極的に導入しており、それに伴いクラウドセキュリティの重要性が急速に高まっています。

特に、複数の利用者でリソースを共有するパブリッククラウドでは、インターネットを通じて不特定多数がアクセス可能な環境であるため、サイバー攻撃のリスクが高い傾向にあるでしょう。

クラウドサービスには、アカウント乗っ取りやデータ漏洩、権限設定の誤りによる情報流出、マルウェア感染など、さまざまな脅威が存在します。クラウドサービス事業者と利用者の間で、セキュリティ責任の範囲を明確に理解し、適切な対策を実施することが重要です。

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サイバーセキュリティ対策9か条について

サイバーセキュリティ対策9か条として、NISCは次のように定義されています。

1. OSやソフトウェアは常に最新の状態にしておこう
2. パスワードは長く複雑にして、他と使い回さないようにしよう
3. 多要素認証を利用しよう
4. 偽メールや偽サイトに騙されないように用心しよう
5. メールの添付ファイルや本文中のリンクに注意しよう
6. スマートフォンやパソコンの画面ロックを利用しよう
7. 大切な情報は失う前にバックアップをしよう
8. 外出先では紛失・盗難・覗き見に注意しよう
9. 困った時はひとりで悩まず、まず相談しよう

出典:NISC/サイバーセキュリティ対策9か条 

サイバーセキュリティ対策9か条は、個人のインターネット利用での基本的な安全対策がまとめられたガイドラインです。スマートフォンの画面ロック設定やパスワードの定期的な変更など、個人の日常生活に直結する具体的な対策が含まれています。

一方で、情報の定期的なバックアップや不審なファイルを安易に開かないことなど、職場でも適用できる注意事項も盛り込まれているため、従業員に対するセキュリティ意識向上の指標として活用できるでしょう。

サイバーセキュリティ対策のポイント

サイバーセキュリティ対策のポイントとして、次の内容を解説します。

  • セキュリティガイドラインに沿った対策をする
  • セキュリティポリシーを策定する
  • 端末認証機能を活用する
  • 定期的にソフトウェアをアップデートする
  • 不用意にリンクやファイルを開かない
  • セキュリティ対策ツールを導入する

それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

セキュリティガイドラインに沿った対策をする

総務省では、企業や地方自治体がサイバーセキュリティ対策を適切に実施できるよう、セキュリティガイドラインを公開しています。テレワークセキュリティガイドラインや地方公共団体向けの情報セキュリティポリシーガイドラインなど、組織の特性や業務形態に応じたさまざまな内容が対象です。

ガイドラインは、組織全体のセキュリティを確保するための基本方針、実施体制、具体的な対策内容を包括的に定めています。特に、新しい働き方への対応として、テレワークセキュリティガイドラインでは、在宅勤務時のセキュリティリスクとその対策、クラウドサービス利用時の注意点、モバイルデバイス管理など、現代のビジネス環境に即した実践的な指針が示されています。

出典:総務省/テレワークセキュリティガイドライン
出典:総務省/地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和4年3月版)  

セキュリティポリシーを策定する

セキュリティポリシーとは、企業や組織が情報セキュリティを確保するための基本方針と具体的な行動指針を文書化したものです。情報資産の管理方法やアクセス権限の設定基準、セキュリティ対策の実施手順、インシデント発生時の対応方法など、組織全体で遵守すべきルールが含まれています。

ポリシーを策定し適切に運用することで、重要な情報資産をさまざまな脅威から保護する指針となるでしょう。また、法令や規制に準拠したセキュリティポリシーを策定・運用することで、コンプライアンス違反のリスクを回避できます。

個人情報保護法やマイナンバー法など、関連する法規制の要件を組み込んだポリシーを整備することで、法的要件への対応と情報セキュリティの確保を同時に実現可能です。

また従業員の入社時や毎年1回全従業員にセキュリティ教育と試験をし、セキュリティ意識向上を図るとよいでしょう。

端末認証機能を活用する

端末認証は、デバイス固有の識別情報を使用してネットワークやシステムへのアクセスを制御するセキュリティ対策です。端末認証機能では、端末固有の識別情報を用いることで、承認された端末のみがアクセスを許可され、未承認のパソコンからのアクセスは自動的にブロックされます。

従業員の1名でも安易なパスワードを使用、パスワードの使いまわしなどパスワードの漏洩をしただけで、不正侵入されてしまう状況は避けなければなりません。また正規のログイン画面にそっくりな偽のログイン画面によるフィッシング攻撃に対しても安全です。
端末認証ではIDとパスワードに加えて、どの端末からのアクセスかも認証に使うためよりセキュアになります。
サイバー攻撃を仕掛けてくるコンピューターは、承認していないコンピューターであるため自動的にブロックされます。

定期的にソフトウェアをアップデートする

ソフトウェアの定期的なアップデートは、サイバーセキュリティ対策の基本的かつ重要な要素です。OSやアプリケーションには常に新たな脆弱性が発見されており、脆弱性を放置することは、サイバー攻撃を受けるリスクを高めることになりかねません。

OSやソフトウェアの開発元は、脆弱性が発見され次第、セキュリティパッチを作成して配布します。パッチには、発見された脆弱性を修正するプログラムが含まれており、できるだけ速やかに適用することが重要です。

攻撃者は、公開された脆弱性情報を基に攻撃手法を開発するため、パッチの適用が遅れることで攻撃の機会を与えてしまう可能性があるでしょう。組織内では、定期的なアップデートを確実に実施するための管理体制を整備し、パッチの適用状況を監視することが必要です。

不用意にリンクやファイルを開かない

不用意なリンクやファイルの開封は、サイバー攻撃の主要な侵入経路となる可能性があります。日常的に受信するメールの中には、マルウェアが仕込まれた添付ファイルや、フィッシングサイト・マルウェア感染サイトへ誘導する悪意のあるURLが含まれているため注意が必要です。

特に近年の攻撃は巧妙化しており、実在する組織や取引先になりすまし、自然な日本語で書かれた正当に見えるメールを装うケースが増加しています。差出人のメールアドレスを偽装したり、企業ロゴや署名を流用したりするなど、一見しただけでは不審なメールと判断することが困難な状況です。

添付ファイルやURLを開く前に、メールの信頼性を慎重に確認しなければなりません。不審な点がある場合は、メールの送信者とされている組織に直接連絡を取り、メールの真偽を確認することも効果的です。

セキュリティ対策ツールを導入する

アンチウィルスソフトやPC監視ソフトなどのセキュリティ対策ツールの導入は、効果的なサイバーセキュリティ対策の重要な要素です。ツールを選定する際には、対応可能な攻撃の種類やベンダーのサポート体制、コストパフォーマンスなど、複数の観点から総合的に評価しましょう。

現代のサイバー攻撃は、多様化・巧妙化が進んでいるため、単一の脅威にのみ対応するツールでは十分な防御ができません。複数の攻撃に対応できる総合的なセキュリティソリューションの導入が推奨されます。

また、高機能な対策ツールを導入しても、適切な設定や運用ができなければ、その効果を十分に発揮できません。ベンダーによる導入支援や運用サポート、技術的なアドバイスが重要となるでしょう。

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今回の記事では、サイバーセキュリティに関して解説しました。サイバーセキュリティ対策は、単なる企業防衛だけでなく、顧客や取引先の個人情報、機密情報を守る社会的責務として企業運営に欠かせない要素です。

サイバー攻撃は近年急速に増加しており、また巧妙化も進んでいるため対策は企業にとってますます重要となるでしょう。セキュリティ対策ツールの導入は、サイバーセキュリティ対策として効果的な手段の1つです。

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