
スマートフォンは私たちの生活に欠かせない存在となっています。しかし、その便利さの裏には様々なセキュリティリスクが潜んでいます。個人情報の漏洩やウイルス感染など、スマホを狙った脅威は年々増加傾向にあります。
本記事では、スマホのセキュリティ対策の必要性や具体的な方法、トラブル時の対処法などを分かりやすく解説します。
目次
スマホのセキュリティ対策が必要な理由
スマートフォンは、私たちの生活に欠かせない存在となっています。しかし、その普及と共に、様々なセキュリティ上の脅威が増大しているのも事実です。スマホを狙ったウイルス感染やサイバー攻撃は年々巧妙化しており、個人情報やデータの流出、金銭的な被害などのリスクが高まっています。
例えば、個人情報の漏洩は、プライバシーの侵害だけでなく、なりすまし犯罪などの二次被害につながる危険性があります。また、金融情報が盗まれると、不正な引き落としや多額の損害につながりかねません。さらに、端末が遠隔操作されたり、詐欺サイトに誘導されたりすることで、直接的な金銭要求を受ける可能性もあるのです。
スマホのセキュリティ対策をしないリスク
スマホのセキュリティ対策を怠ると、様々なリスクに直面する可能性があります。ここでは、主な3つのリスクについて詳しく解説します。
ウイルス攻撃
スマホを狙ったウイルス攻撃の中でも、特に注意が必要なのがマルウェア攻撃です。マルウェアとは、悪意のあるソフトウェアの総称で、スマホに侵入して様々な被害をもたらします。AndroidとiPhoneを比べるとAndoridの方がアプリストア以外からのアプリのインストールが可能な分リスクが高まります。OSの設定でアプリストア以外からのアプリインストールの許可設定はオフにしましょう。また、そのような手順を指定されても信頼してはなりません。またアプリストアにあるアプリでもGoogleの審査をすり抜けてしまって、あとからマルウェアと分かりアプリストアから削除されるということもあります。ダウンロード数や評価数、レビュー等をみて信頼できるアプリか確認しましょう。
マルウェア攻撃の主な種類と被害
トロイの木馬 | 正規のアプリを装って侵入し、個人情報を盗み取る |
ランサムウェア | 端末内のデータを暗号化し、解除と引き換えに身代金を要求する |
スパイウェア | ユーザーの行動を密かに監視し、個人情報を収集する |
アドウェア | 大量の広告を表示し、ユーザーを不正なサイトに誘導する |
ルートキット | システムの深部に潜み、他のマルウェアの侵入を助ける |
マルウェアに感染すると、個人情報の流出、金銭的被害、端末の動作不良など、深刻な問題が発生する可能性があります。
Wi-Fi経由での攻撃
公共のWi-Fiスポットは便利ですが、セキュリティ面では気をつける必要があります。パスワードで保護されていないWi-Fiネットワークに接続すると、暗号化されていない通信となり、中間者攻撃が発生する可能性があります。これは攻撃者がユーザーと接続先の間に入り込み、通信内容を盗み見たり改ざんするものです。
また、イビルツインアタックでは、正規のアクセスポイントを装った偽のWi-Fiスポットが設置され、そこに接続したユーザーの情報が盗まれます。さらに、パケットスニッフィングを通じてネットワーク上を流れるデータを傍受し、パスワードやその他の機密情報が抜き取られることもあります。
DNSスプーフィングでは、DNSサーバーが偽装され、ユーザーが偽のウェブサイトに誘導されます。これらの攻撃によって、個人情報やログイン情報が盗まれ、なりすまし犯罪や金銭的な被害につながる可能性があるため、注意が必要です。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺は、信頼できる組織を装ってユーザーから個人情報やクレジットカード情報を騙し取る手法であり、特にスマホを使用する際に多くの手法が存在します。
SMSフィッシングでは、銀行やクレジットカード会社を装ったSMSを送信し、受信者を偽のサイトに誘導します。アプリフィッシングは、正規のアプリを装った偽アプリをインストールさせてログイン情報を盗む手法です。
また、QRコードフィッシングでは、ユーザーに偽のQRコードを読み取らせて不正なサイトに誘導します。ボイスフィッシングは、電話で金融機関の職員を装い、個人情報やカード情報を聞き出す手口です。SNSフィッシングでは、SNS上で偽のキャンペーンや懸賞を装い、ユーザーから個人情報を入力させます。
これらのフィッシング詐欺による被害は、個人情報の流出だけでなく、金銭的被害や身元の悪用など、深刻な問題に発展する可能性があります。そのため、適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。
スマホのセキュリティトラブルの症状

スマホがウイルスに感染したり、セキュリティトラブルに遭ったりした場合、様々な症状が現れることがあります。早期発見・早期対応が重要なため、以下の症状に注意を払う必要があります。
バッテリーの消耗が早くなる
ウイルスに感染すると、バックグラウンドで不正なプログラムが動作し続けるため、バッテリーの消耗が通常よりも早くなることがあります。突然バッテリーの持ちが悪くなった場合は、ウイルス感染の可能性を疑いましょう。
動作が遅くなる
ウイルスがシステムリソースを消費するため、スマホの動作が著しく遅くなることがあります。アプリの起動に時間がかかったり、画面の切り替えがスムーズでなくなったりした場合は要注意です。
データ通信量が急増する
ウイルスが勝手にデータをダウンロードしたり、アップロードしたりすることで、通常より多くのデータ通信を行う場合があります。月々のデータ通信量が急に増えた場合は、ウイルス感染の可能性があります。
身に覚えのないアプリがインストールされている
ウイルスの中には、自動的に不正なアプリをインストールするものがあります。見覚えのないアプリがスマホにインストールされていた場合、ウイルス感染の可能性が高いです。
勝手に操作される
ウイルスによっては、スマホを遠隔操作する機能を持つものがあります。画面が勝手に動いたり、アプリが勝手に起動したりする場合は、ウイルス感染の疑いがあります。
これらの症状が一つでも当てはまる場合は、スマホがセキュリティトラブルに遭っている可能性が高いため、注意してください。
スマホのセキュリティ対策【基本】
スマートフォンは私たちの生活に欠かせない存在となっていますが、セキュリティリスクも高まっています。ここでは、スマホのセキュリティを守るための基本的な対策について見ていきましょう。
OSとアプリを最新の状態に保つ
セキュリティ対策の基本中の基本として、OSとアプリを最新の状態に保つことが挙げられます。定期的なアップデートは複数の重要な効果を持ちます。
まず、新たに発見されたセキュリティホールを修正し、システムの脆弱性を防ぎます。さらに、進化するサイバー攻撃に対する防御機能が追加されることで、新しい脅威への対応が可能となります。また、セキュリティ機能の効率が改善されることにより、全体のパフォーマンスも向上します。
アップデートを行う際には、Wi-Fi環境下で実施し、十分なバッテリー残量があることを確認するようにしてください。自動アップデート機能を有効にしておけば、常にシステムを最新の状態に保つことができ、より安全にデバイスを使用することが可能です。
2要素認証を設定する
2要素認証は、通常のパスワード認証に加えて別の方法で本人確認を行うセキュリティ機能です。これにより、パスワードが漏洩しても、第三者によるアカウントへのアクセスを防ぐことができます。
2要素認証の主な方法には、以下のようなものがあります。
- SMSやメールで送信されるワンタイムパスワード
- スマートフォンアプリで生成される認証コード
- 指紋認証や顔認証などの生体認証
- セキュリティキー
- 端末認証
特に注目したいのが端末認証です。これは、ユーザーが所有する特定のデバイスを認証の第二要素として使用する方法であり、一度設定すれば、ログイン時に追加の操作が必要がないため、ユーザー操作が不要です。
また、物理的なデバイスを必要として遠隔からの不正アクセスを防ぐため、セキュリティ向上が期待できます。ワンタイムパスワードの入力などの手間が省けるため、利便性も高まります。
このように端末認証を導入することで、セキュリティを高めつつ、ユーザーの負担を軽減できます。
公共Wi-Fiの危険性を理解する
公共Wi-Fi(フリーWi-Fi)は利便性が高い一方で、セキュリティ上のリスクが高いことを理解しておく必要があります。パスワードのない公共Wi-Fiは暗号化されておらず、通信内容が第三者に盗み見られる可能性があります。また、攻撃者が通信を仲介して情報を盗んだり改ざんしたりする中間者攻撃や、正規のものに見せかけた悪意のあるWi-Fiに接続してしまうというリスクも存在します。
公共Wi-Fiを使用する際は、安全なインターネット利用のための対策を講じることが重要です。通信を暗号化するためにVPNを使用する、重要な情報のやり取りや金融取引は避ける、HTTPSで暗号化されたウェブサイトのみを利用するなどの方法が効果的です。
このような対策を行うことで、公共Wi-Fiの利用時におけるリスクを最小限に抑えることができます。
スマホの紛失・盗難対策を講じる
スマホの紛失や盗難は個人情報漏洩の大きなリスクとなるため、事前に適切な対策を講じることが重要です。
まず、「スマホを探す」機能を有効にしておきましょう。そうすることで紛失や盗難の際にデバイスの位置を追跡できます。次に、画面ロックの設定を施すことで、不正アクセスを防ぎます。
また、データの暗号化を行うことで、万が一スマホが悪意のある人の手に渡っても情報が読み取られにくくなります。重要なデータのバックアップも定期的に行い、データを失うリスクを低減させましょう。
これらの措置は、スマホが不意に失われた際にも個人情報を保護するために極めて効果的です。今すぐ対応できるため、ぜひ実践してください。
セキュリティアプリを導入する
信頼できるセキュリティアプリを導入することで、様々な脅威から身を守ることができます。主な機能には、次のようなものがあります。
・ウイルス・マルウェア対策
・フィッシング詐欺対策
・不正アプリの検出
・プライバシー保護
セキュリティアプリを導入した後も、定期的なアップデートが重要です。アップデートにより、新たな脅威に対する防御機能が追加されたり、既存の機能が強化されたりします。
不審なURLにアクセスしない
SMSやSNS投稿に含まれる不審なリンクは、フィッシング詐欺やマルウェア感染の温床となる可能性があるため、注意することが重要です。
まず、短縮URLには注意してください。短縮URLは本来のURLが隠されていることが多く、安全かどうか判断しにくいです。また、送信元が正規の公式アカウントかどうかを確認し、URLの綴りにも気をつける必要があります。URLを確認して、似たようなドメイン名を使用した偽サイトに誤ってアクセスすることがないようにしましょう。さらに、不自然な緊急性を訴えるメッセージには特に警戒が必要です。
もし不審なリンクをクリックしてしまった場合は、すぐにブラウザを閉じ、セキュリティアプリでデバイスのスキャンを行うようにしてください。ログインしてしまった場合は、正規サイトを開いてパスワード変更をしましょう。
スマホのセキュリティトラブル時の対処法

スマホがセキュリティトラブルに遭った場合、迅速かつ適切な対応が求められます。ここでは、主な対処法をご紹介します。
ネットワークを遮断する
セキュリティトラブルが疑われる場合、まず最初に行うべきはネットワークの遮断です。スマホを機内モードにすることで、Wi-Fiやモバイルデータ通信を簡単に切断できます。これにより、マルウェアの拡散や個人情報の流出を防ぐことができます。
不審なアプリは削除する
見覚えのないアプリや、最近インストールした不審なアプリがある場合は、迷わず削除しましょう。アプリが気づかない間に起動し、情報を盗み取られる可能性があります。
SNSアプリの連携アプリも不審なものがあれば連携解除をしましょう。
初期化する
上記の方法で問題が解決しない場合、最終手段として初期化を検討します。ただし、初期化を行うと端末内のデータがすべて消えてしまうため、重要なデータは事前にバックアップしておくことが大切です。
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本記事で紹介した対策を実践し、定期的にセキュリティ状況をチェックすることで、安全にスマホを使いこなすことができるでしょう。また、重要なファイルの管理には、ibisStorageのような高セキュリティなクラウドストレージサービスの利用も検討してみてください。