
クラウドストレージは、無料のままでも活用できるため、クラウド導入を検討する場合はまず無料版からスタートするのも良い選択肢といえます。
しかしクラウドストレージについて知識があまりない場合は、導入にあたって、「そもそも無料のクラウドストレージはビジネス利用でも問題なく使えるのか」「有料のクラウドストレージとは何が違うのか」などの疑問が伴うものです。
そこで今回は、無料で使えるクラウドストレージのおすすめサービスを紹介したうえで、無料のメリットとデメリットを整理していきます。
無料のクラウドストレージを使うべきか悩んでいるときは、ぜひ参考にしてみてください。
目次
クラウドストレージは無料で使える?
クラウドストレージは、無料でも利用可能です。
無料のクラウドストレージは気軽に利用を始められることが大きなメリットのため、「まずはクラウドストレージの運用を始めてみたい」となった際は、無料のサービスから選ぶことがおすすめです。
ただし、無料のクラウドストレージには以下のパターンがあるため注意が必要です。
- 容量や機能に制限はあるものの、無料のまま使えるプラン
- 有料プランの無料トライアル(期間限定)
長期的に無料プランでクラウドストレージを使っていく場合は、前者のプランがあるサービスを利用することが望ましいです。
有料プランの無料トライアルは、あらかじめ期間が決められているため、期間終了後は有料プランへ移行となります。
具体的な機能や容量のサイズを細かくチェックし、安心して活用できる無料のクラウドストレージを見つけましょう。
無料プランのあるおすすめクラウドストレージ3選
まずは、無料プランのあるクラウドストレージをチェックしていきましょう。
おすすめのクラウドストレージは、以下の3つがあります。
- Google Drive
- Dropbox
- ibisStorage(アイビスストレージ)
多くのユーザーに支持されているクラウドストレージであり、使いやすさも抜群です。
無料のままでもさまざまな機能を利用できるため、初めてクラウドストレージの運用をする際は、まずは無料プランを使ってみましょう。
それぞれのサービスの特徴やおすすめポイント、無料で使える機能などを紹介するため、どのサービスを契約すべきかわからないときはぜひ参考にしてみてください。
1. Google Drive
【おすすめポイント】
- 無料でも15GBの大容量ストレージを利用できる
- Googleアカウントがあれば誰でも利用可能
- Googleの各種サービスとの連携がスムーズ
Google Driveは、言わずと知れた大手IT企業のGoogleが提供するクラウドストレージです。
Googleアカウントがあれば誰でも利用を始めることができ、無料のままでも容量が最大15GBとかなり大容量なのがポイントです。
そのため写真や動画などの重たいファイルを多く保存する場合でも、すぐに容量が圧迫されないことが強みといえます。
Googleドキュメントやスプレッドシートなど、ビジネスで利用する各種アプリケーションとの連携もしやすく、Googleのサービスを使っているときは特に重宝するでしょう。
Google Driveはあくまで個人用ですので、法人で利用する場合は、Google Workspaceが必要になります。例えばスタンダードプランですと、月額1,632円/ユーザーです。
2. Dropbox
【おすすめポイント】
- 無料プランは2GBまで保存でき、基本的な機能を使える
- デスクトップ用のアプリが便利
- 無料のままでもスムーズにファイル・フォルダの共有が可能
Dropboxは、全世界で7億人以上のユーザー数を誇るクラウドストレージサービスの大手です。
さまざまなプランが用意されており、無料プランは、無料のままでも2GBまで利用できることが特徴です。
Google Driveと比べると容量サイズは少なめですが、クラウドストレージとしての基本機能はしっかりと利用でき、特にデスクトップアプリが便利という評判が多いです。
デスクトップアプリをPCにインストールしておけば、PC内にDropboxのフォルダが作成されることで同期がスムーズになり、逐一アップロード・ダウンロードなどの作業をする手間がなくなります。
ただし無料プランは個人用になります。ビジネス用は、Businessプラン以上になります。Businessプランは月額1,800円/ユーザーとなります。
3. ibisStorage(アイビスストレージ)
【おすすめポイント】
- 国産クラウドストレージ
- 無料のまま2GBまで利用可能
- 上位プランで電子帳簿保存法に対応
ibisStorage (アイビスストレージ) は、株式会社アイビスが提供しているクラウドストレージです。
Webブラウザだけで端末認証に対応しているゼロトラストセキュリティ対応のセキュアなクラウドストレージです。ゼロトラストセキュリティは、「誰がどこからアクセスできるか(社内からに限定など)」ではなく、「誰がどの端末からアクセスできるか」に基づく新しいセキュリティの考え方です。
また国産ですのでサポートも安心ですし、有料プランでは電子帳簿保存法にも対応しています。この辺りは海外製にはない特徴です。
ibisStorage は、法人でも無料プランが利用できます。
クラウドストレージを無料で使うメリット

クラウドストレージを無料で使う場合は、そもそも無料で良いのか、最初から有料プランにすべきなのではないかなど不安に感じられるポイントが多いでしょう。
そのためここからは、クラウドストレージを無料で使うメリットを整理していきます。
主なメリットは、以下の3つです。
- 気軽に利用を始められる
- コスト削減につながる
- 導入がスムーズ
では、メリットを一つひとつ見ていきましょう。
1. 気軽に利用を始められる
無料のクラウドストレージの良いところは、何といってもお金がかからず、とにかく気軽に始められることです。
アカウントさえ用意すればすぐに利用できるため、以下のようなケースでも利用を始めやすいことがメリットです。
- 実際に運用していくかわからないが、まずは試したい
- 社内にクラウドストレージに詳しい人材がいないが、使う必要がある
- 今後続けるかどうかは、一度使ってから決めたい
- そこまで多くの容量を使うつもりはないが、興味はある
上記のようなケースで、いきなり有料版から始めるのはハードルが高いと言わざるを得ません。
無料のクラウドストレージは、無料版のままでも基本的な機能は利用できるうえに、今回紹介したおすすめサービスなどは2GB~と大容量です。
「少しだけ利用したい」というときは無料のままで十分事足りることが多いため、無料版の気軽さは大きな魅力といえます。
2. コスト削減につながる
無料でクラウドストレージの運用を始めれば、コスト削減にもつながるでしょう。
クラウドストレージの有料版を利用する場合、クラウドは多くの場合サブスクリプション契約になるため、ランニングコストがかかります。
ひと月あたりの負担額はそこまで大きくなくても、半永久的に使うとなれば、毎年コストがかさむのは確かです。
しかし無料版で事足りれば、有料版の費用を支払う必要がなく、それでいて業務効率化につながる便利な使い方ができます。
今まで別の場所に保存していたファイルを無料のクラウドストレージに移行し、たとえばこれまでかかっていたディスク代などが不要になれば、さらにコスト削減につながる可能性もあるでしょう。
3. 導入がスムーズ
無料のクラウドストレージは、導入がスムーズであることもメリットの一つといえます。
無料プランは、料金を支払う必要がないため、アカウントを作成すればすぐに利用できます。
即日で運用を始められるため、急にクラウドストレージの必要性が高まったときでも安心です。
あらかじめ自社にサーバーを構築したり、複雑な初期設定を行ったりする必要もありません。
なお、最初から有料版でクラウドストレージを本格的に導入する場合は、具体的な機能や容量、利用するユーザー数を提供会社に相談していくことが多いです。
クラウドストレージはそれでも導入は早いほうですが、ベースは「相談→見積もり→契約→導入」というプロセスになるため、有料版のほうが手続きが増えることは間違いありません。
お試しで始めたいときも、無料版の導入がスムーズなことは大きな利点になるでしょう。
クラウドストレージを無料で使うデメリット
クラウドストレージを無料で使う際は、主に以下の点がデメリットになるため注意が必要です。
- 容量に限界がある
- 使える機能・サポートが少ない
- そもそもビジネスに無料版は不向き
無料プランはやはり無料という性質上、さまざまな制約が生まれるため、取り入れる際は慎重に検討しましょう。
無料のデメリットを細かく整理していきましょう。
1. 容量に限界がある
クラウドストレージの無料版には、使える容量に限界があります。
そのため、大容量のファイルを大量に保存する場合は、すぐに容量を圧迫してしまう恐れがあります。
容量を圧迫しやすいファイルといえば、以下が挙げられるでしょう。
- 画像・写真
- 動画
- 音声
WordやExcelなどの文書ファイルは比較的軽量ですが、写真や動画系のファイルは、高画質だったり時間が長かったりすると大容量になりやすいため十分に注意が必要です。
したがって、上記のようなファイルを多く保存したいときは、無料版は向いていない可能性が高いといえます。
2. 使える機能・サポートが少ない
クラウドストレージの無料プランは、有料プランと比べて機能やサポートが少ない傾向です。
どのようなサービスも、やはり有料版のほうが利用できる機能が豊富で、サポートは充実しています。
クラウドストレージも同様で、たとえば有料版では使えるアクセス制限やファイル復元機能が無料版では使えなかったり、24時間サポートなども有料版のみに限定されていたりすることが特徴です。
特にセキュリティ関連の機能は、基本的に有料版でなければ搭載されていないことが多いです。
より安全にクラウドストレージを運用したいときは、やはり有料版のほうが良いといえます。
3. そもそもビジネスに無料版は不向き
総合的に見ると、そもそも無料版のクラウドストレージは、ビジネス環境には不向きと言わざるを得ません。
理由は以下のとおりです。
- 利用規約で個人に限定している場合がある
- 容量が少ない
- セキュリティ関連の機能が不十分
- 必要なサポートを受けられないことがある
上でも触れてきたとおり、無料のクラウドストレージには上記のウィークポイントがあるため、ビジネス利用にはあまり適していないことがわかります。
ビジネス利用の場合、多くのファイルを保存することになるため、容量が少ないことは不便さを感じやすいポイントになります。
さらに、無料のクラウドストレージは危険といえるわけではありませんが、セキュリティ上の安心につながる機能が少ないことも注意したいポイントといえます。
セキュリティ面の強固さがないと、特にクラウドストレージでは情報漏洩につながる恐れがあるため、運用時はくれぐれも注意が必要です。
そのため無料のクラウドストレージは、以下のように整理できるでしょう。
- 基本的に個人向け
- 将来的に有料版に移行するためのお試し利用向け
ビジネス利用で無料のクラウドストレージを運用する場合は、限られた用途でのみ使う事業者にのみ向いているといえます。
もしくは、将来的に有料プランに移行することを視野に入れて、現段階ではお試し的に無料版を使うかたちを検討しましょう。
企業におすすめのクラウドストレージの選び方

企業がクラウドストレージを取り入れる際は、自社に合った機能が搭載されているか、よく検討する必要があります。
そのため数あるクラウドストレージから、適したサービスを選ぶ際は、以下のポイントを重視しましょう。
- 容量的に問題なく利用できるか
- セキュリティ水準は高いか
- コストパフォーマンス良く利用できるか
- 必要に応じてサポートを受けられるか
- 望んでいる機能・サービスが利用できるか
特に重要なのは、やはり容量とセキュリティ、利用料金です。
有料のクラウドストレージは、容量や利用するユーザー数などに応じて毎月の利用料金が変わる傾向にあります。
どのようなクラウドストレージが自社に合っているかわからないときは、個別に、法人専用の問い合わせ窓口に相談することも重要です。
用途や利用人数、事業規模などを伝えれば、具体的なプラントと料金を提示してもらえるため、本格的な導入を検討する際は積極的に相談してみてください。
まとめ
クラウドストレージは無料でも運用可能ですが、基本的には有料プランへの移行を視野に入れておいたほうがよいでしょう。
そのため「まずは一度試してみたい」「そこまで多く使わないが、クラウドストレージを利用する必要がある」というときは、無料版でのクラウドストレージ導入を検討してみましょう。
しかし無料プランのクラウドストレージは、有料プランと比べると、機能があまり多くないことが難点です。
セキュリティ面でも、より安心感があるのは有料プランといえます。
より本格的にクラウドストレージを活用する場合は、無料ではなく、有料プランの契約も積極的に視野に入れておきましょう。
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