クラウド導入とは?メリットから手順、失敗しないポイントまで解説

クラウド導入とは、自社でサーバーやソフトウェアを持たず、インターネット経由で外部のサービスを利用する形態を指します。
本記事では、クラウド導入を検討している企業の担当者に向けて、そのメリットやオンプレミスとの違い、導入の目的を達成するための具体的な手順、そして失敗を避けるための注意点まで網羅的に解説します。

目次

そもそもクラウド導入とは?オンプレミスとの違いを解説

クラウド導入とは、これまで自社内にサーバーやネットワーク機器を設置して運用する「オンプレミス」モデルから、インターネット上のサービスを利用する形態へ移行することです。
オンプレミスが物理的な機器の購入や管理を自社で行うのに対し、クラウドはサービス提供事業者が管理するITリソースを必要な分だけ利用します。
この違いが、コスト構造や運用負荷、柔軟性に大きな差が生まれる理由です。

クラウド導入で得られる5つのメリット

クラウド導入によって企業が得られるメリットは多岐にわたります。
物理的なサーバーを持つ必要がなくなることで、コスト削減や運用負荷の軽減といった直接的な導入効果が期待できます。
さらに、働き方の多様化や事業の成長スピードへの対応力も向上します。

ここでは、クラウド導入のメリットとして代表的な5つの項目を解説します。

メリット1:初期コストを抑えてシステムを構築できる

クラウドサービスは、自社でサーバーやネットワーク機器を購入する必要がないため、システム構築にかかる初期コストを大幅に抑制できます。
オンプレミス環境では高額なハードウェア投資や設置場所の確保が不可欠でしたが、クラウドではこれらの費用が発生しません。

多くは月額制や従量課金制で提供されるため、必要なリソースを必要な分だけ利用でき、スモールスタートで事業を開始したい場合にも適しています。

メリット2:サーバーの運用・管理業務から解放される

クラウドを導入すると、サーバー機器の物理的な管理、メンテナンス、障害対応といった運用業務をサービス提供事業者に任せられます。
これにより、これまでサーバー管理に費やしていた社内のIT担当者のリソースを、より付加価値の高いコア業務へ振り分けることが可能になります。
定期的なアップデートやセキュリティパッチの適用なども事業者が行うため、常に最新で安全な環境を維持しやすくなります。

メリット3:場所を選ばない柔軟な働き方を実現する

クラウドサービスは、インターネット接続環境さえあれば、オフィス、自宅、外出先など場所を問わずにシステムやデータへアクセスできます。
この特長は、テレワークやリモートワークといった多様な働き方を推進する上で強力な基盤となります。
多くの企業が働き方改革に取り組む現代において、従業員がどこにいても業務を遂行できる環境を整備することは、生産性の向上や人材確保の観点からも重要です。

メリット4:事業の拡大に合わせてシステムを拡張できる

クラウドサービスは、ビジネスの成長や需要の変動に応じて、サーバーの性能やストレージ容量を迅速かつ柔軟に変更できる「スケーラビリティ」に優れています。
例えば、アクセスが急増するキャンペーン期間中だけサーバーのスペックを上げるといった対応が簡単に行えます。
これにより、機会損失を防ぎつつ、過剰な設備投資による無駄なコストを削減し、常に最適なリソースでサービスを運用できます。

メリット5:専門家による高度なセキュリティ対策が期待できる

大手クラウド事業者は、データセンターの物理的な警備からサイバー攻撃対策まで、多層的で高度なセキュリティ対策を講じています。
常時の監視体制や、常時セキュリティパッチの適用、最新の脅威に対応するための専門チームを擁しており、自社単独で同水準のセキュリティレベルを維持するのは容易ではありません。
専門家の管理下にある堅牢な環境を利用することで、情報資産を安全に保護できます。またサーバーダウンなどの障害も自社で障害が起きたときよりも専門家による復旧の方が早いということも期待できます。

知っておくべきクラウド導入の3つのデメリット

クラウド導入には多くのメリットがある一方で、事前に把握しておくべきデメリットや課題も存在します。
カスタマイズの制約や既存システムとの連携、通信障害のリスクなどが主なものです。
ここでは、クラウド導入を検討する上で注意すべき3つのデメリットについて解説します。

デメリット1:自社の業務に合わせた細かなカスタマイズが難しい

クラウドサービスは、基本的に提供事業者が用意した仕様の範囲内で利用するため、オンプレミスのように自社の特殊な業務フローに合わせてゼロから自由にシステムを構築することは困難です。
提供されている機能や設定以上の細かなカスタマイズには対応できない場合が多く、独自の要件を持つシステムを運用している企業にとっては、これが導入の課題となる可能性があります。
サービス選定時には、自社の業務要件をどこまで満たせるか慎重な確認が求められます。

デメリット2:既存システムとの連携に時間や費用がかかる場合がある

クラウドへ移行するシステムが、社内に残るオンプレミスの基幹システムなどと連携する必要がある場合、そのための開発や改修に追加の費用や期間が発生することがあります。
特に、古いシステムや独自のインターフェースを持つシステムとの連携は、技術的なハードルが高くなる傾向にあります。

導入計画の段階で、既存システムとの連携の可否、連携方法、そして必要なコストを十分に調査し、移行全体の予算とスケジュールに組み込む必要があります。

デメリット3:通信障害が発生するとシステムが利用できなくなる

クラウドサービスはインターネット経由でアクセスするため、自社のネットワークやプロバイダー、あるいはクラウド事業者側で通信障害が発生すると、システムが利用できなくなるリスクを抱えています。
業務が完全に停止してしまう可能性もゼロではありません。

このリスクに対する注意点として、重要なデータは定期的にバックアップを取得しておく、オフラインでも作業を継続できる手順を整備しておくなど、事業継続計画(BCP)の観点からの対策が求められます。クラウドサービスによっては東京のデータを大阪にもバックアップしてくれるなど、BCP対策を提供しているサービスもあります。

クラウドを導入するべき理由とは

クラウド導入は、単なるコスト削減や業務効率化に留まらず、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)やイノベーションを推進する上で不可欠な基盤です。
クラウドを導入するべき理由として、AIやIoTといった最新技術を迅速に活用し、データに基づいた意思決定や新たなビジネスモデルの創出が可能になる点が挙げられます。
例えば、膨大なデータを分析して顧客ニーズを予測したり、スピーディに新しいサービスのプロトタイプを開発・検証したりする事例があります。

働き方改革の実現から企業の競争力強化まで、クラウド導入は現代の企業が抱える多様な課題を解決し、持続的な成長を達成するための重要な目的を持つ戦略的投資と言えます。

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【目的別】自社に最適なクラウドサービスの種類とは?

クラウドサービスは、提供されるリソースの範囲によって、主に「SaaS」「PaaS」「IaaS」の3種類に分類されます。
それぞれのモデルは特徴や自由度が異なり、導入の目的によって最適なサービスの形は変わります。

自社の課題や実現したいことに合わせて、どの種類が最も適しているかを見極めることが重要です。

SaaS:ソフトウェアをすぐに利用したい場合

SaaS(Software as a Service)は、インターネット経由でアプリケーションソフトウェアを提供するサービスです。
利用者はPCやスマートフォンにソフトウェアをインストールする必要がなく、Webブラウザなどからすぐに利用を開始できます。
身近な例では、GmailのようなWebメールや、SalesforceなどのCRMツール、freeeクラウドのような会計ソフトが挙げられます。

インフラやミドルウェアの管理は不要で、手軽に特定の機能を使いたい場合に最適です。
アカウント登録のみで始められる手軽さが最大の魅力です。

PaaS:アプリケーションの開発環境が必要な場合

PaaS(Platform as a Service)は、アプリケーションを開発し、実行するためのプラットフォーム一式を提供するサービスです。
OS、ミドルウェア、データベース、プログラミング言語の実行環境などが含まれており、開発者はインフラの構築や管理を意識することなく、アプリケーションの開発そのものに集中できます。

自社で独自のWebサービスや業務アプリケーションを開発したい場合に適しています。
代表的なサービスには、AWS Elastic BeanstalkやGoogle App Engineなどがあります。

IaaS:インフラを自由に設計・構築したい場合

IaaS(Infrastructure as a Service)は、サーバー、ストレージ、ネットワークといったITインフラを仮想化して提供するサービスです。
利用者はOSやミドルウェア、アプリケーションを自由に選択してインストールし、オンプレミス環境に近い高い自由度でシステムを設計・構築できます。
独自の開発環境を構築したい場合や、既存のオンプレミスシステムをそのままクラウドに移行したい場合に適しています。

代表的なサービスとして、AWSのAmazon EC2やMicrosoft Azure Virtual Machinesが挙げられます。
社内にIaaSに詳しいエンジニアがいる場合は選択肢の一つになります。

失敗しないためのクラウド導入5ステップ

クラウド導入を成功させるためには、場当たり的に進めるのではなく、計画的なアプローチが不可欠です。
目的の明確化から始まり、要件定義、サービス選定、移行、テスト運用という一連の流れを踏むことで、失敗のリスクを大幅に軽減できます。
ここでは、クラウド導入をスムーズに進めるための具体的な方法を5つのステップに分けて解説します。

ステップ1:導入目的と対象業務の範囲を明確にする

まず、「なぜクラウドを導入するのか」という目的を具体的に定義します。
例えば、「サーバー運用コストを30%削減する」「テレワーク環境を整備して生産性を向上させる」「災害対策として事業継続性を確保する」といった具体的なゴールを設定します。

同時に、社内のどのシステムや業務をクラウド化の対象とするのか、その範囲を明確に定めます。
目的と範囲が具体的であるほど、後のステップで適切な判断を下しやすくなります。

ステップ2:導入するクラウドサービスの要件を定義する

明確にした目的を達成するために、導入するクラウドサービスに求める機能や性能、セキュリティレベルなどの要件を具体的に洗い出します。
必要なCPUやメモリ、ストレージのスペック、データのバックアップ頻度、準拠すべきセキュリティ基準などを詳細に定義します。
この要件定義が、次のサービス選定フェーズにおいて客観的な評価基準となり、自社に最適なサービスを選ぶための重要な指針となります。

ステップ3:複数のサービスを比較検討し選定する

ステップ2で定義した要件を基に、複数のクラウドサービスをリストアップし、比較検討を行います。
機能、コスト(初期費用、月額料金、従量課金体系)、サポート体制、障害時の対応、導入実績などを多角的な視点から評価します。

可能であれば無料トライアルなどを活用し、実際の操作性やパフォーマンスを確認することも重要です。
これらの評価を総合的に判断し、自社の要件に最も合致するサービスの選定を進めます。

ステップ4:移行計画を策定しシステムを構築・移行する

導入するサービスが決まったら、既存のオンプレミス環境などからデータやアプリケーションを移行するための詳細な計画を策定します。
業務への影響を最小限に抑えるため、移行の具体的な手順、スケジュール、担当者、そしてトラブル発生時の切り戻し手順などを明確にします。
この移行計画という全体の流れに沿って、選定したクラウドサービス上にシステムを構築し、慎重にデータ移行作業を進めます。

ステップ5:テスト運用で問題点を洗い出し改善する

本格的な稼働を開始する前に、一部の部署や限られたユーザーでテスト運用を実施します。
実際の業務を行いながら、システムの動作や性能、操作性、既存システムとの連携などに問題がないかを確認します。
この段階で発見された課題や改善点を修正し、システムの品質を高めます。

十分なテスト運用を経て、安定した状態で全社的な本番稼働へと移行することで、導入後のトラブルを未然に防ぎます。

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クラウド導入を成功に導く3つの重要ポイント

クラウド導入のステップを着実に進めることに加え、成功の確率をさらに高めるためには、技術面以外にも目を向ける必要があります。
導入後の運用体制や社内でのルール作り、そして必要に応じた外部の専門家の支援活用が鍵となります。

ここでは、導入プロジェクトを成功に導くために特に重要な3つのポイントを解説します。

ポイント1:導入後の運用体制やルールを事前に決めておく

クラウドを導入した後の運用体制や管理ルールを事前に明確にしておくことが重要です。
誰がコスト管理の責任を持つのか、サーバーのリソース変更は誰の承認を得るのか、障害発生時のエスカレーションフローはどうするか、といった具体的なルールを定めます。

こうした取り決めが曖昧なままだと、導入後に予期せぬコスト超過やセキュリティインシデントが発生するリスクが高まります。
スムーズな運用のため、事前の準備が不可欠です。

ポイント2:セキュリティポリシーを策定し全社で共有する

クラウドサービスは利便性が高い反面、アクセス管理などを誤ると情報漏洩のリスクも伴います。
そのため、クラウド利用に関するセキュリティポリシーを明確に策定することが不可欠です。
データのアクセス権限の範囲、パスワードの強度設定、機密情報の取り扱い方などのルールを定め、それらを全従業員に周知徹底します。

全社でセキュリティ意識を統一し、ルールを遵守する文化を醸成することが、安全なクラウド利用の前提となります。

ポイント3:専門知識を持つベンダーのサポートを活用する

自社にクラウドに関する専門知識や技術、人材が不足している場合は、無理に内製化しようとせず、導入支援の実績が豊富な専門ベンダーのサポートを活用することが有効です。
ベンダーは、客観的な視点から最適なサービスの選定を支援してくれるだけでなく、複雑なシステム移行や導入後の運用・保守まで一貫してサポートしてくれます。
専門家の知見を活用することで、導入の失敗リスクを大幅に低減できます。

クラウド導入に関するよくある質問

ここでは、クラウド導入を検討する企業の担当者からよく寄せられる質問について回答します。
総務省の調査によると、クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は年々増加しており、多くの企業が導入に関心を持っています。

費用や移行、運用に関する疑問を解消し、導入検討の参考にしてください。

クラウド導入にはどれくらいの費用がかかりますか?

費用は導入するサービスの種類や利用規模、データ転送量によって大きく変動するため、一概には言えません。
一般的に初期費用はオンプレミスより安価ですが、利用量に応じた月額料金が発生します。

正確な費用を把握するには、複数のベンダーから自社の要件に基づいた見積もりを取得し、比較検討することが不可欠です。

既存のオンプレミス環境からスムーズに移行できますか?

移行の難易度は既存システムの構成やデータ量、連携の複雑さで大きく変わります。
単純なサーバー移行の例もあれば、アプリケーションの改修が必要な事例もあり、一概にスムーズとは言えません。
綿密な移行計画と、本番移行前の十分なリハーサルが成功の鍵です。

専門家の支援を受けることで、リスクを大幅に低減できます。

導入後に自社で運用・管理できるか不安です。どうすればよいですか?

クラウドの運用にはコスト管理やアカウント管理、セキュリティ監視などの専門知識が必要です。
自社での対応に不安がある場合は、運用・保守を専門の事業者に委託するマネージドサービスプロバイダー(MSP)の利用が有効な解決策です。
運用を専門家に任せることで、自社の担当者は本来注力すべきコア業務に集中できます。

まとめ

クラウド導入は、コスト削減や業務効率化といった直接的なメリットに加え、柔軟な働き方の実現や事業の成長スピードへの対応など、企業に多くの利点をもたらします。
導入を成功させるには、そのメリットとデメリットを正しく理解し、自社の目的を明確にした上で、計画的な手順に沿って進めることが重要です。
本記事で解説したステップやポイントを参考に、自社に最適なクラウド導入を検討してください。

参考:クラウドサービスとSaaSの違いとは?PaaS・IaaSについても詳しく解説 | SES業務管理の統合ツール Fairgrit®公式サイト

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